望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

最も大切なもの

こんなコラムを2002年に書いていました。 ご隠居「おや、どうしたね。浮かない顔だが」 酔っ払い「どうも解らねえ。北朝鮮に拉致された人のことを考えてるってえと、この国、この社会ってえのが解らなくなる」 ご隠居「何が解らないのか、そんな言い方だと、…

日本シリーズ前に順位戦

ペナントレース終了から日本シリーズ開始まで1カ月も“間”が開くのは興ざめだとの声が上がって、セパ上位3チームでプレーオフみたいなことをするクライマックスが導入された。大リーグのようにチーム数が多いのならともかく、各リーグの6チームがシーズン…

個人独裁と主権在民

中国で習近平氏が共産党の総書記を3期目も務めて続投することが決定し、党の最高指導部(7人の政治局常務委員)は側近で固められた。憲法よりも優先する党規約は改正されて、習近平氏の絶対的な地位と権威を明記した。習近平氏の個人独裁が中国共産党にお…

世界が「日本化」する

こんなコラムを2002年に書いていました。 国連安保理も「承認」したことでアメリカのイラク攻撃は時間の問題となった。中間選挙の結果からしてアメリカ国民はイラク攻撃を支持しているようだ。そりゃ、そうだな。“必ず勝てる戦争”だろうから、行け、やれぇっ…

ラーメンと「物語」

ラーメンの人気は根強い。TVや雑誌では定期的に特番やら特集が組まれる。一時は「背脂チャッチャ」が大人気だった。トンコツベースの濃厚な味は以前からあったが、醤油ベースの濃厚な味が目新しかったようだ。味がくどい、飽きるとの声もあるが、流行り廃…

函館周辺はバス旅の宝庫

通勤や通学などに利用される路線バスだが、路線バスを乗り継いで長距離旅行したり、都市内や近郊などを小旅行したりするテレビ番組が増えた。公共交通機関として人々に身近な路線バスが、非日常としての旅行の手段にもなると周知させた功績は大きいが、いざ…

H氏のマフラー

流行りには敏感なH氏は、この冬はマフラー、それも長いものが流行っていると聞き、さっそく真っ白の長いマフラーを買った。 久しぶりの休日、出掛けにマフラーを首に巻いて前に垂らすと妻が「今年の流行はこう」と、首を一巻きして後ろに垂らした。「俺に似…

近ごろ巷に流行る歌

こんなコラムを2002年に書いていました。 巷に流行る替え歌が聞こえてきました。 ここはお国を何百里 離れて遠きインド洋の 赤い太陽に照らされて 暑くて戦争出来ません……冷房完備の軍艦を日本は派遣したとやら。どうせアメリカ軍の機嫌を取るためだけの役目…

相手に非があるとの論法

自分の行動が批判されたときに、自分の行動を正当化する手っ取り早い方法は、相手が先に何かを仕掛け、それに対応しただけだとして相手に非があると主張することである。相手が反論したなら対応は、①客観的に検証する、②頑に相手の非を主張し続けるーに分か…

大したことではない

「大事の前に小事にこだわるな」というのは一見、大局から見ている言葉のようだけど、この手の物言いが出てくるのは大抵、当事者が異論を考慮する余裕がなくなった時なんだな。自分の主張を大事だとし、異論を小事だと検討もせずに退ける。それと、こんなこ…

「平等」が隠れたテーマ

20世紀にはマルクス主義による国家形成が世界で試みられたが、失敗しました。労働者を主体とする人民が権力を独占するというアイデアは、結局、「前衛的」指導者層という新たな特権階級を生み出し、人民はやはり権力から遠ざけられました。 資本主義1色に世…

進化と雑種

広島市で、特別天然記念物オオサンショウウオと中国原産の外来種チュウゴクオオサンショウウオの交雑個体が、今年5月に初めて見つかってから既に数十個体が確認されていると報じられた。交雑が進むと、日本固有のオオサンショウウオが絶滅するおそれがある…

ギャング・オブ・ニューヨーク

こんなコラムを2003年に書いていました。 はい、またお会いしましたね。今日の映画は「ギャング・オブ・ニューヨーク」です。これ、マーチン・スコセッシ監督の、大金をかけた大作なんですね。 この映画、いきなり男達が斧やナイフ、棍棒をもって集まり、ま…

口だけ清兵衛 

20XX年、全ての戦争は悪であると考える日本の首相の清兵衛は、戦争へと突き進むアメリカを説得しようと大統領に会いに出掛けた。前任の首相が、やたらとスローガンめいたことを振りかざすだけで、結局、自分で処理できたものは何もなかったことを踏まえ、清…

北朝鮮が大好き?

こんなコラムを2003年に書いていました。 急に日本人が北朝鮮を大好きになった理由は何だろう? 本屋では北朝鮮本のコーナーが広がり、TVのニュースショーでは必ず北朝鮮絡みの話題が取り上げられ、一般紙も北朝鮮ネタは欠かさない。 小泉首相が訪朝する前…

駒ヶ岳という名称

全国に駒ヶ岳という名称の山は多数ある。山の形が馬を連想させたので名付けられたのだろうが、各地で人々が同じような連想をしたのは、農耕や運搬などで馬が重要な役割を務め、身近な存在だったからだ。日常から馬が消えた現代人が山を見ても馬を連想しにく…

搾取ってステキ

労働者は資本家に搾取されているから、革命を起こして労働者が権力を握り、経済構造を資本家を排除した構造に変えなくてはならないというのが共産主義だと思っていたが、最近の中国を見ていると、共産主義って何だったのかと混乱する。 多大な犠牲を伴いつつ…

長いまつげの少女

こんなコラムを2003年に書いていました。 まつげを長くした少女は、父親のブッシュから「あゆを真似したんだろう」と言われ、「いいえ、オゾン層が破壊されて紫外線が強くなったから、体が適応したのよ」と言い返した。父親のブッシュは、娘が近ごろ素直でな…

信教の自由が盾

20XX年、3団体に分裂していた広域指定暴力団◯△組の構成員の多くが参加して宗教法人「統一◯△教」が誕生した。◯△組を全国有数の組織にまとめ上げた四代目組長(故人)を教祖とあがめ、生前の言葉を編纂した「教え」を聖典とし、信者は「清く、正しく」生きる…

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群というものがある。新顔の病気として認知されたようだ。 一見すると病気には見えないけれど、実は身体・精神状態が正常ではない人間はほかにもいそうだ。例えば、覚醒時無思考症候群(要するに、なあーんにも考えていない人のこと)、就業…

アメリカの自由

こんなコラムを2003年に書いていました。 自由や民主主義なんて、立場により、どうにでも言い立てることのできるものである。イラクの民主化とはイラク国民が主体的に決めることであり、イランやアルジェリア、トルコがそうであったように、アラブ・イスラム…

面倒みてやってるのに

こんなコラムを2003年に書いていました。 北朝鮮が「暴発」した時に、日本をアメリカに守ってもらうためには、アメリカのイラク侵略を支持せざるを得ないというのが日本政府の本音だそうだが、日米安保条約では日本が攻撃された時にはアメリカは日本を守る義…

ライトバード衛星

ライトバード(LiteBIRD)は、2028年の打ち上げを目指している宇宙マイクロ波背景放射偏光観測衛星だ。月よりも遠い宇宙空間で全天精査を行い、原始重力波を検出することを計画する。もし原始重力波が検出できれば、宇宙が超高温・超高密度の火の玉状態から…

掘れば出てくる

東京湾の埋め立て地である「お台場」に2003年に温泉ができて大人気になったそうな。湯に入るにも順番待ちだったとか聞くと、ゆったりした気持ちになるのが温泉の魅力だろうに、何故そんなに頑張ってまでして行くのかと疑問を感じるが、まあ、それは人の好き…

サダムはどこへ消えた?

こんなコラムを2003年に書いていました。 チーズを探してアメリカからネズミ達が海を越えて砂漠の国にやって来た。 きっと、うまいチーズを隠しているに違いないとアメリカネズミ達は、「俺達はもっとチーズが欲しいんだ。正直にチーズの在り処を白状しろ」…

時代と世代と映画

親から受け継いだ小さな工務店を社員50人の建設会社に成長させ、子息に社長の職を2年前に譲った友人は最近、「会社にはほとんど行かなくなった」と言う。子息が社長として成長し、「これからの時代は、あいつらが自由にやったほうがうまくいくだろう」と完…

究極の精密誘導ミサイル

戦争は、最初は個と個の戦いであっただろうものが、組織化されるにつれ、線と線の戦いになり、やがて面と面の戦いへと発展し、次には3次元化して空(体)と空(体)の戦いになるーーというのが石原莞爾の見方であった。それは第2次世界大戦までの戦法発展論と…

スタートから大差

昨今はあまり見かけなくなった「グローバルスタンダード」という言葉、実際はアメリカンスタンダードじゃないかとの批判もあって消えたのか、「改革」は避けられないという意識を日本人に植え付けたから役目を終えて消えたのか、どちらかは知らないが、うさ…

2番打者で送りバント

こんなコラムを2003年に書いていました。 アナウンサー 「明日は砂嵐が激しくなるとの予報が出されている、ここイラク南部ですが、今日は風も弱く、格好のベースボール日和となりました。ボールパークには『アメリカの自由』チームのメンバーが揃い、入念な…

新冷戦の姿

ウクライナに侵攻したロシアだが、欧米から武器などの支援もあってかウクライナ軍の反撃が優勢となって、ロシア軍の劣勢が欧米メディアで報じられる。死傷者の増加で兵員が不足したのかロシアは部分動員令により30万人を徴兵して増員せざるを得ない事態に追…