望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

読者のシンクタンク

日本の新聞社は①発行部数の減少が続く、②広告料収入の減少が続くー状況下にあり、売上高は減り続けている。こうした状況を打開する妙案がなく、縮小再生産で対応するしかないとなれば、固定コスト削減のために人員削減を繰り返すしかない。インターネット上…

棒タラ

棒タラはタラ(鱈)を寒風にさらして水分をすっかり抜いた干物だ。ガチガチに固まっているので、身をほぐすためには水に数日つけておくか、金づちなどで叩いてほぐすしかない。棒タラを煮物などの料理に使うためには水につけて戻すのが一般的だが、酒のつま…

愚策

こんなコラムを2000年に書いていました。 日本の政治の「脳死」状態を実感させたのが、沖縄サミットのイメージソングを作るというニュースである。 毎年どこかで開催される先進国首脳サミットに、なぜイメージソングが必要なのか。そもそもイメージソングが…

別のを探せ

「鳴かぬなら殺してしまえ不如帰」とは織田信長の言葉で、秀吉はどう、家康はこうと伝えられている。本当に三人がそう詠んだのかどうかは知らないが、三人の性格をよく表す言葉として有名だ。 ここに一つ加わった。誰が書いたものか失念したが、「鳴かぬなら…

近代の期間

日本史における近代の期間は「明治維新から太平洋戦争の終結まで」とされる。太平洋戦争の終結は1945年で明確だが、明治維新の始まりと終わりについては諸説あり、明確ではない。明治維新という理解は後世の人々による時代区分の設定であるから、どういう要…

ひまわり見

花見の名所は各地にあるが、屋外で飲んで浮かれて騒ぐというのを春、桜だけに限定するのは勿体ない。冬には雪見酒があるが、屋外での雪中酒は、ちらちら降る雪の中で飲むので、飲むより早く身体が冷えていきそう。冬ははずしたほうがよさそうだ。 春は桜のほ…

分断と暴力

ブラジルで議会や大統領府、最高裁判所をボルソナロ前大統領の支持者たちが襲撃、侵入して内部を破壊した。昨年10月の大統領選挙で再選を目指したボルソナロ前大統領は僅差で敗れたが、電子投票で不正があったと主張して敗北を認めず、熱狂的な支持者らも敗…

鈍感なのは誰か

こんなコラムを2000年に書いていました。 森氏が首相に就任した日の夜、11時過ぎから記者会見が始まり、NHKが中継していた。どんな「失言」をするのかと見ていると、手元の分厚い資料をしきりに見て、読んでいるだけのことも多かった。 印象に残ったこと…

三国人

こんなコラムを2000年に書いていました。 石原都知事が陸上自衛隊駐屯地の式典で「大震災の時に、凶悪犯罪の多い三国人が騒憂事件を起こすから、自衛隊に治安出動してほしい」と述べたそうで、三国人が外国人差別の発言であると批判が集まっている。しかし、…

緩慢な自殺

こんなコラムを2000年に書いていました。 少年の凶悪犯罪が続発している。少年の凶悪事件といっても豊川市の殺人やバスジャックと、愛知での5000万円強奪や埼玉でのリンチ殺人、女性の耳切り落としを同列に論じることはできまい。前者は誰でも被害者に成り得…

なんとかなる

ウクライナにとって2022年の2月23日は戦前だった。翌24日にロシア軍が侵攻を開始し、ウクライナは戦中となった。ロシアが軍を引き上げる気配は見えず、和平に向けての動きは双方に希薄で、和平を促す調停者(国)も現れない。ウクライナにとって戦後がいつ…

植民地と侵略者

こんなコラムを2000年に書いていました。 オランダを訪問した天皇を迎えたベアトリックス女王夫妻主催の晩餐会で、「今なお戦争の傷を負い続けている人々のあることに深い心の痛みを覚えます」などと述べた天皇に、女王は「多くの人(オランダ人)がその体験…

広告ジャケット

こんなコラムを2000年に書いていました。 都バスの装いがずいぶん変わってきた。前面部を除いて全身「広告塔」になってしまった。一台一台がそれぞれのスポンサーに合わせて装われているため、見かけるたびに、ある種の新鮮さがある。最初は違和感があったの…

感染放置で集団免疫獲得

中国の習近平国家主席は昨年12月31日、「科学的で正確な感染対策を行い、人民の生命と安全、身体の健康を最大限守ってきた」とゼロコロナ政策の成果を強調してから「防疫措置は新たな段階に突入した」と方針転換を明言したと報じられた。さらに「まだ苦労が…

オウムと日本社会

こんなコラムを2000年に書いていました。 教団本部的に使用していた横浜支部からの立ち退きを求められていた上祐氏らオウム幹部がどこぞへ移転したという。あっちへ行っても、こっちに来ても「オウム出て行け」の大合唱で、ここは人権派の出番、「オウム信者…

マルコヴィッチの穴

こんなコラムを2000年に書いていました。 とあるビルの7.5階の一室の壁に穴があり、それは俳優マルコヴィッチの脳に繋がっている。穴に入るとマルコヴィッチの脳に乗り移ることができ、馴れればマルコヴィッチの身体を思うままに動かすことができる。 こん…

押し倒して

こんなコラムを2000年に書いていました。 女性を押し倒し、ハイヒールを奪おうとした19歳の男が逮捕されたという。ダイヤをちりばめた純金のハイヒールを奪おうとした、のではない。「ハイヒールを履いた女性を見ると、その靴が欲しくなってしまう」と捕まっ…

100年前は1923年

全ての人々が国政に関与できる普通選挙法の制定を求める運動が広がるとともに、東京で約10万人が参加した大示威行進が行われたのは100年前の1923年(普通選挙法の成立は1925年)。西日本の各地で水平社の設立が相次いだこの年、各地で労働組合が3悪法(過激…

三文役者の無責任放言録

こんなコラムを2000年に書いていました。 書店で文庫本のコーナーを見ていたら、壁の書棚の一角に、表紙を見せて殿山泰司の本が何冊か並べてあった。全く期待もせず手にとって開いたのが「三文役者の無責任放言録」(ちくま文庫)。あれ、こんな文章を書くの…

首相公選制と議員公選制

「首相公選制にすべきだ」との議論が盛んだったことがある。密室で自民党の有力者らが決めた首相がアホで、それを議会が辞めさせることもできないという現実への苛立ちから、それなら直接選挙で首相を決めようと一定の支持があったようだ。 どうすれば、見識…

太陽信仰と地球の自転

朝に太陽は東の空にのぼり、少しずつ移動して夕方には西の陸地や水平線などに沈むので、地表に生きる人間には太陽が天空はるか高くを動いていると見える。地球が自転しているから、太陽が動いていると見えるのだーとの知識は誰でも持っているだろうが、地表…