望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

キャデラック・レコード

最近は日本人歌手が洋楽のヒット曲をカバーすることが少なくなったが、一昔前は珍しくなかった。1960年代には弘田三枝子、伊東ゆかりらが「ウ゛ァケイション」「悲しき片思い」「夢見るシャンソン人形」などをヒットさせ、GSバンドのレパートリーにもカバ…

押し屋という発想

朝の通勤時間帯などに、列車に乗り切れないほどの乗客が駅に集まって来て、到着した列車に先を争って乗ろうとするが、車内はすでに人で満杯。遅刻しまいと人々は無理に乗り込もうとするが、なかなか車内に体を入れることができず、列車のドアも閉じることが…





氷河は常に崩れている

気候変動(日本では地球温暖化との使い分けがアイマイ。気候変動と地球温暖化はイコールではなく、地球寒冷化も気候変動に含まれる)は、特別なものではない。地球環境は常に変化して来たし、常に変化している。大きな地震が続いたが、地表(海底も)が常に…

国家資本主義

こんなコラムを10年ほど前に書いていました(毛沢東と江沢民かな?)。 ケザワ東 「世界金融危機後の世界には、いびつな歪みが生じている。企業に対する政府の束縛を嫌うはずのアメリカなどで、金融機関に公的資金が注入され、さらにはGMなど民間企業にも公…

木彫の熊

国内旅行のお土産は現在では、各地の菓子など食品が人気上位を占めている。食べてしまうと無くなるので「消えもの」であり、旅行の思い出は家族などで一緒に食べるときの会話に現れるだけだ。土産物屋で売っている民芸品などは旅行の思い出を呼び起こす記念…





軍事パレード

中国の戦国初期(二千数百年前)に生きた兵法家の呉子が現代によみがえり、中国政府高官に会って、兵法の極意を伝授すると言ったという。その中国政府高官は「中国政府は、戦争を好まない」と言った。 呉子は言った。 「どうして心にもないことを言うのです…





「紙の時代」の終焉

新聞発行業が斜陽産業だとしばしば論じられるようになった。ネットの活用以外に新聞の生き残る道はないのだが、及び腰の試行錯誤が各社で続いている。ネットでの収益モデルの構築ができず、海外の動向を眺めながら、新聞社内の中高年層は「自分の定年までは…

まき餌と毛針

閣僚を歴任した自民党の故・渡辺美智雄氏は放言癖があり、何度も舌禍事件を起こした。放言の一つに、野党の支持者を毛針で釣られる魚に例えたものがあった。税金を下げるとか医療費をタダにするとか野党はうまい話ばかりだと批判し、「毛針で釣られる魚は知…

極右政党

1999年は、大きな出来事が起きた年だった。1月には欧州単一通貨(ユーロ)が導入され、3月には国連安保理決議なしにNATO軍がユーゴスラビアへの空爆を行い、12月にはポルトガルがマカオを中国に返還し、アジアから西欧諸国の植民地がなくなった。そうそう…

平面はデジタルになじむ

こんなコラムを2009年に書いていました。 え~、国営マンガ喫茶と呼ばれた例の建物の建設は中止されたそうですな。日本の「誇る」マンガやアニメを一堂に集めた建物を建てるというアイデアは、いかにも官僚の思いつきそうなものでしたね。そのうちに、マンガ…

宝クジと起業

久しぶりに会った知人がしんみりした口調で言うには、「確かに大金をつかんだ奴が幅をきかす世の中ではあるが、二十代の若い奴が宝クジを熱心に買う話を聞かされると、情けないというか寂しい気持ちになる」。知人の子息の同僚に、ナンバーズやロト、ジャン…

電気でレース

日本でF1レースに人気があった頃、フジテレビはわざわざ夜中に日本でのレースを録画で放送していた。「生で観たけりゃ、チケットを買って鈴鹿に来い」という高ビーな態度が漂っていて、鼻白んだものだった。それでも、セナなどが活躍していて、それなりに…





確率は50%

あなたの前に二つのドアがあり、一方のドアを開けると、部屋いっぱいに黄金があり、もう一方のドアは、開けても何もないとする。選んだドアを開けて黄金があったなら、すべてがあなたのものになる(黄金を得る確率は50%)。さて、あなたはどうするか。選ん…





「オバマ」の表記法

2009年にアジアを歴訪した米オバマ大統領。東京で包括的なアジア外交演説を行い、抹茶アイスの思い出を語り、シンガポールでAPEC首脳会議に出席し、中国に行って若者と対話したり、万里の長城を見物し、韓国でテコンドーを披露した。 そのオバマ氏の名前…

5つの仮説

現象を観察し、その現象が起きた要因について合理的に説明する仮説を立て、その仮説の当否を客観的に検証するーこれは科学の基本的な方法だ。仮説は直感や思い込みなど主観の影響を受けるものだから、客観的な検証を経て、妥当であると確認されて定説となり…





しっぺ返し

え~、最近は数十万人の大規模なデモを見かけませんな。そういえばストライキも見かけなくなり、やがて死語になったりして。権利を主張することが日本では特別な行為という意識がまだ残っているのか、人々が何も主張しなくても権利が守られる社会になったの…





アバタ

3D映画が話題になった2010年に、こんなコラムを書いていました。 評判は私の耳にも届いてました。「空間表現がすばらしい」とか「槍などがスクリーンから飛び出てきて観客を驚かせるタイプの映画じゃなくて、奥行きを表現している」とか「立体感ある映像は…

デルタ株に脆弱

中国の新型コロナウイルスの感染者数、死者数はともに国際的には少ないほうで、中国は強権で人々の行動を厳しく制約してCOVID-19の感染拡大を封じ込んだとされ、欧米やインド、ブラジルなどに比べ中国は感染対策に成功したと見られている。だが、中国が感染…





放棄した優位点

ニュースはインターネットで読めばいいという人が多くなり、若い人などは宅配で新聞を購読しなくなり、800万部とか500万部とか各社は言い立てるものの、実際の配達部数はもっと少ないと言う関係者もいて、新聞事業が先細りであるという指摘も珍しくなくなっ…

これが、それです

え~、虎は死して皮を留め人は死して名を残す、なんて言いますな。一昔前のタイガースは強かったとファンは言い続ける……なんてプロ野球の話じゃありませんよ。後世に名が残るような生き方を、人はしたいものだということのようで。 名が残るといっても、八百…

ブックオン

ン十年前、東京近辺に住むようになって、月に数回は神保町巡りをするようになり、外出先でも時間があるとぶらぶらと歩き回り、各地で古本屋を捜した。そうした結果として、例えば竹中労さんの著作の大半を入手し、読むことができた。 古本屋とは、先人の膨大…

ロックダウンを主張した人々

日本で新規感染者が連日急増した第5波の最中に、感染拡大を抑制するために人々に対する厳しい行動制限など可能にするロックダウンを主張した人々がいた。政府の新型コロナウイルス分科会の尾身会長や全国知事会などの主張をマスコミは大きく伝え、ロックダ…





表情スポーツ

カミさんが言うんですがね、「フィギュアスケートなどの採点競技は、なんかモヤモヤした後味が残る」のだそうです。若く可愛い女性の選手に少々嫉妬しているのかと思ったんですがね、男子のフィギュアなどでも同じような印象を持ったとカミさんは言いますか…

独立は自力で

欧州のバルカン半島にあるコソボが独立を宣言してから10年以上経った。コソボ内で人々の独立機運が高まり、自力で勝ち取った独立……ではなく、NATO軍の介入・治安維持によってセルビアが抑え込まれ、いわば独立への「お膳立て」をしてもらって成し遂げた独立…

上位10

世界の感染者数は2億3363万人、死者数477万人と増え続けている(10月1日現在。以下同)。感染拡大のペースが緩やかになった日本では感染者数は170万2580人、死者数1万7685人。9月末日で緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が全面解除され、飲食需要や旅…





方向を決めて世論調査

新聞などのメディアが頻繁に世論調査を行うのは、時の政権批判記事を正当化するための根拠づくりの疑いが漂う。「○○内閣の支持率は○%に下がった」などと大々的に報じ、後の内閣批判記事では、さりげなく世論調査の内閣支持率の数字をちりばめる。客観性のあ…





さすらう普天間飛行場

こんなコラムを2010年に書いていました。 住宅密集地の中にある普天間の米軍飛行場。市街地の中にあるので、世界一危険な基地だと言われているとか。1996年に、代替施設への移設を条件に、米から日本に返還されることになったが、移設先がなかなか決まらず、…





みな日本人になった

110年ほど前に日本では、幸徳秋水らが逮捕され、大審院で大逆事件の第1回公判が開始された(傍聴は禁止)。パリ、ロンドン、ニューヨークなどでは社会主義者らが大逆事件に抗議するデモを行ったという。その年の8月に日韓条約が調印・施行され、日本による…

大口が流行り

自動車には表情がある。正面から見ると、二つのフェッドライトが目、ラジエターグリルが口と映り、生き物の表情を連想させる。自動車は動くものだから、走るという動作が生き物のように自動車を見せ、向かってくる自動車の表情が生き生きとして見えたりする…

G2論の今

リーマンショックでもたついたとはいえ、なお強大な経済力と軍事力を有する米国と、世界金融危機のもとでも経済が急成長を続け、アフリカ・アジアなどで影響力を増大させる中国。EUと日本は経済的に弱体化し、発言力も弱くなり、米国と中国が突出した存在に…