望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

情報を隠して危機管理?

2015年に韓国で中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスの感染拡大が続いた。感染の確認が遅れ、感染者が隔離されず、病院内で2次感染が起き、さらに3次感染が広がるなど、韓国では危機管理体制に問題があることを露呈した。北朝鮮と対峙している分断…

神の怒り

マレーシア・ボルネオ島で15年6月5に発生したマグニチュード6.0の地震で、キナバル山(4095m)では地滑りや落石により登山客18人が死亡した。マレーシアは火山も地震もなく、台風の襲来もなく、天災リスクが世界的に低いとされていたので、今回の地震に現…

号外の精神

突発的に大きな出来事や事件などが生じると、電波メディアに加えインターネットでも速報が流れる。事故や災害などでは遭遇した個人がメディア企業よりも先にSNSなどで情報を発信したりするようにもなった。そうした個人発の速報の信用度は定かではないの…

陰性証明は無意味

中国の首都・北京市の食品卸売市場で集団感染が発生した。感染拡大を封じ込めようと北京市は、市場関係者らの市外への移動を禁止し、市民が市外へ出る場合にはPCR検査を受けて陰性証明を取得し、それを持ち歩くように義務づけた。また、北京を訪問する人には…

門は開いた

1990年代に日本では、中国から漁船などを使った集団密航が増加し、上陸地点は全国に広がった。その多くは、中国の「蛇頭」と呼ばれる密航業者が日本の暴力団や韓国の密航組織と手を組み、沖合で中国船から日本船や韓国漁船に中国人密航者を乗り換えさせたり…

公人としての覚悟

例えば、米国では黒人に対する差別は法的にはなくなったが、差別意識を持っている白人はまだ存在し、ヘイトクライムが疑われる殺人も絶えない。黒人に対する差別感情を秘めている白人が、どれほどいるのかは定かではないが、それを公言することは現在の社会…

当たらないし、使えない

どこかの国が日本に向けてミサイルを発射したなら、日本のどこかに着弾する前、飛んでいる間に迎撃ミサイルで打ち落とすのが、被害を最小にする最も効果的な防衛方法だろう。だが、高速で飛んでいるミサイルを撃ち落とすことは簡単ではない。映画なら、飛ん…

ギリシャの新しい悲劇

近松門左衛門作の人形浄瑠璃の演目「冥途の飛脚」は、歌舞伎では「恋飛脚大和往来」として上演される。上方の和事の代表作の一つだ。その「封印切」の場面では、大阪の飛脚屋の養子・忠兵衛が、遊女・梅川の身請けを他の男と張り合って、金があることを示す…

盗まれても減らない

3万円入れた財布ごと鞄をどこかに置き忘れ、探して鞄は見つかったが、財布には1万円しか入っていなかったら、2万円が盗まれたことはすぐ分かる。が、財布に3万円入っていれば「大丈夫だった」と安心し、誰にも鞄や財布の中は見られてはいないと思うだろ…

隠しておきたかったこと

1933〜34年頃に撮影された20秒ほどの動画に映っていた、幼少期の英エリザベス女王が母親(後のエリザベス皇太后)とともに右手を上げてナチス式敬礼をする様子を数年前に英大衆紙がすっぱ抜いた。ナチス支持者を疑われた伯父のエドワード王子(後の国王エド…

色あせた「勝利宣言」

中国の北京で集団感染が発生した。北京最大の食品卸売市場から感染が広まったとされるが、扱っている食品などにウイルスが付着していたのか、ヒトからヒトへの感染なのか感染ルートは特定されていない。同市場は閉鎖され、周辺の居住区に外出制限が拡大され…

未来のことは確率で考える

8月になると日本のマスメディアでは戦争をテーマにした番組や記事が増える。戦争といっても、現在進行中のシリアなどでの内戦のことではなく、1945年に日本が敗戦を迎えた戦争のことに限られる。日本人が体験した戦争でどんなに苦しんだかという被害者感情…

9年6カ月の宇宙旅行

太陽系の端にある冥王星に2015年、NASAの無人探査機「ニューホライズンズ」が1万2000キロまで近づき、鮮明な写真を送ってきた。地球から遠く離れた冥王星の姿はハッブルでも、ぼやけた画像でしか見ることができなかったので、人類は初めて冥王星の詳し…

感染と共存する生活様式

各国で公共交通の乗車時や店舗内などでのマスク着用が義務化され、欧米でも外出時のマスク着用者が珍しくなくなった。日本でも営業再開した店舗などで店員がマスクに加えて透明なフェイスガードを装着して接客する。新しく出現した奇異な装いに見えるが、違…

新聞社と謝罪

70年以前の行為について、人はどこまで責任を負わなければならないのだろうか。例えば、70年以前に殺人の罪を犯した人が、裁判にかけられて有罪判決を下され、刑期を終えるとともに、個人の資産から損害賠償も行っていたならば、社会的には責任を取ったと見…

周回遅れの前衛

前衛であり続けることは難しい。前衛音楽や前衛美術など、既成概念の枠から飛び出した新しい表現をつくりだしたとしても、それはたちまち新たな1ページを与えられて既成概念に加えられ、体系化される。新しさだけで前衛を気取っていた表現は、いっとき注目…

難民というより移住か

アフリカ大陸の北岸にあるリビアから、EU入りを狙う移民や難民を“満載”した密航船がイタリアに向かうことが続いている。出航地のリビアにEUが乗り込んで、海岸線を直接管理できれば、密航船の出航を阻止することもできようが、リビアはEU外の国である…

攻撃される銅像

英国のブリストルで、奴隷貿易で財を成した商人エドワード・コルストンの像を人々が引き倒し、川に投げ込んだ。この像の撤去を求める運動は以前からあり、米国でのジョージ・フロイド氏の死に抗議するデモの参加者が実力行使した。F1ドライバーのハミルト…

軽自動車を世界規格に

2014年の新車販売台数は556万台だが、登録車329万台、軽自動車227万台で軽自動車が4割を占めた。乗用車に限ると、車種別販売台数ベスト10のうち7台が軽自動車であるなど、軽自動車の比率は高くなる。軽四輪車の保有台数(2014年12月末現在)は2988万台で、…

日米安保なしの防衛コスト

数年前、あるブログに「日米安保なしで防衛しようとすれば、防衛予算は4倍以上の20兆円以上になるという試算」とあった。その試算が正しいなら、日米安保は安上がりだとつい思いたくなるが、どうにでも積み上げて膨らますことができるのが軍事費。その試算…

民度と政治

日本政府の副総理・財務相が国会の質疑で、新型コロナウイルスによる日本での死者数が欧米より少ないことについて外国から「お前らだけ薬持っているのかとよく電話で言われ、おたくとは国民の民度のレベルが違うと言ってやると絶句して黙る」と述べた。 国会…

似たもの探し

自分と瓜二つの人物が世界に3人いるという説を聞いたことがある。といっても、大々的な調査によって実証された説ではなく、「そっくりな人間が、世界を探せば3人くらいは、いるんじゃないの?」といった気楽な想像によるものらしい。でも、自分そっくりな…

次に、やるべきこと

例えば、「戦争につながる」「民主主義を害する」「国民の権利が制限される」などとして広く社会にデモなどの反対運動が巻き起こる法案がある。先に反対運動があって、そうした反対運動に押されて野党が議会で反対するようになることはなく、議会での野党の…

ドキュメント「パンデミック5月」

世界における新型コロナウイルスの感染者数は5月1日の325万人台から、31日には600万人を超え、倍増した。死者数は1日の23万人台から、31日には約37万人と増加を続けた。ロシアとブラジルで感染爆発が生じ、感染者数で両国は欧州諸国を一気に上回った。 <…

東京あらーと

「東京あらーと」と耳にして、東京のアラトで集団感染が発生したのかとつい早合点しそうになった。最後にトがつく地名は東京に青砥があり、全国には早戸、隼人、三郷、湊、明戸、小本、荒砥、有戸、関都、千里、広戸、土本、船戸、鳴門、根本、大和、山都、…

供給過剰のツケ

農作物や漁獲物なら、あらかじめ収穫量を決めることができないので、豊作や豊漁で供給過剰になれば市場で価格は暴落し、逆に不作や不漁で供給不足になれば価格は上がる。供給量の変動により市場で価格が上下することで、供給に応じて需要が調整される仕組み…

なぜ解散・総選挙を要求しないのか

委員長席に詰め寄り、実力で委員会の進行をストップさせようとする野党と、スクラムを組んで委員長をガードして採決を強行しようとする与党……同じ光景は過去に何度も繰り返されてきた。世代は変わり、議員も入れ替わっているはずなのに、同じ光景が繰り返さ…

初期症状はカゼ

新型コロナウイルスに感染した人が日本でも世界でも大幅に増え、感染すると、どういう症状が出て、どういう経過をたどるのか多くの症例から見えてきた(厚労省や医療機関のサイトなどからまとめた。感染しても無症状の人が多いことも判明)。 感染した場合の…

中立や公平を装う

中立とは「ある特定の立場・意見にかたよらず、中正の位置にあること」で、「戦争に参加していない国家に生ずる国際法上の地位。交戦当事国に対して公平と無援助の立場をとること」の意で使うこともあり、公平は「どれにもかたよらず、すべてを同じように扱…

窮民とは誰か

窮民といえば、貧困などのため生活に苦しんでいる人々を指し、貧民と同じ意味で用いられることも多い。窮するとは、金などが足りなくて困ることであり、「生活に窮する」などと使われるが、行き詰まって苦しむ意にも用いられ、「返答に窮する」「選択に窮す…