望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

分裂できないイラク

こんなコラムを2006年に書いていました。 イラク中部にあるシーア派の聖地アスカリ廟が爆破され、これを機にシーア派強硬派の報復攻撃が広範に行われ、更にスンニ派民兵の仕返しが行われるなどイラク情勢は混迷が深まり、内戦の危機も言われている。 アスカ…

向うが上手

金太郎「日本の外交はどうして後手後手に回るのだろうか? 歯がゆい」 阿R 「受け身だからさ。対米従属という枠組みの中で、アメリカの機嫌を損ねないように振る舞うことが最優先課題となり、独自の外交戦略を持つことができなかった。米ソの世界分割支配とい…

皇国原理主義者たち

こんなコラムを2006年に書いていました。 東京都では、卒業式で日の丸に起立せず、君が代を歌わない生徒がいたなら、その指導責任を教師が問われるそうだ。起立しない教師への処罰を続け、教師たちは一応抑えこんだから、次は生徒への強制に乗り出した。生徒…

告発する人と支援

米ハリウッドの大物プロデューサーだったハーベイ・ワインスタイン氏は女性2人への性的暴行などで2018年に起訴され、2020年に裁判所は禁錮23年の実刑を言い渡し、収監された。大きな影響力を持つ大物プロデューサーという立場を利用して同氏は、多数の女優…

サムライ意識と直接民主主義

こんなコラムを2006年に書いていました。 メール騒動で民主党の渡部国対委員長が、サムライは引き際が大事だというような言い方で永田議員を批判していた。メール騒動と民主党を切り離すためにも、潔く議員を辞職してメール騒動にけりを付けろということなの…

愛する心を強制する

女性が子供を産まなくなり、「このまま行けば100年後には人口が3割減になってしまう」と深刻な少子化に悩むVP国では、「抜本的」な対策を講じることになり、愛国心法を制定した。 <人口減少では国力が落ちる。子供を産まない女性は国を想う気持が足りない。…

竹中労と沖縄音楽

沖縄出身の歌手やミュージシャンは現在多いが、沖縄には独自の音楽文化があり、それは素晴らしいものであると復帰前に日本人に知らせることに大きな貢献をしたのが竹中労氏だ。竹中労氏が紹介したのは島唄(沖縄民謡)だが、「安里屋ユンタ」が知られていた…

誰がために金は出る

こんなコラムを2006年に書いていました。 三吉 「このやろ、ふっかけやがって」クーパー「何を怒っているのですか?」三吉 「べらぼうめ。在沖縄米海兵隊のグアム移転で日本側が約60億ドルも出すなんて、とんでもねえ話だと思っていたら、日本国内での米軍再…

霞が関にキョーボー罪

こんなコラムを2006年に書いていました。 北海道警が組織的に裏金づくりを続け、巨額の税金をちょろまかしてきたことが北海道新聞等の奮闘努力により明るみに出たが、この裏金づくり、実は全国の警察組織でも同様に続けられているものだという。警察だけでは…

怪しい光

こんなコラムを2006年に書いていました。 5月27日の夜11時前後だったろうか、夜行列車は岡山を過ぎて東京へ向っていた。車窓からふと空を見上げると、雲が低く一面を覆っていたが、雲の上に光っている箇所があった。月かと思っていると、その光が列車の進行…

自分探し

自分探しとは「それまでの自分の生き方、居場所を脱出して、新しい自分の生き方、居場所を求めること」とされる。自分とは何か。それが分からなかったり混乱しているから探すのだろうが、自分を見つけたと判断するのは自分であり、探している自分を見つける…

学習する民族主義

住民投票で独立賛成が総投票数の55.5%を占めたことからモンテネグロ議会は2006年6月3日、独立を宣言し、国家連合を組んでいたセルビア共和国も公式に独立を受け入れた。これで旧ユーゴスラビアは6共和国に完全に解体した。 友愛と連帯を旗印に南スラブ民…

補給を断つ

沖縄県沖の太平洋で中国海軍が大規模な演習を行った。報道をまとめると、中国側の発表は、▽共同戦闘作戦の強化に向け台湾周辺で演習を行った▽東部戦区は海軍と空軍が5月6〜8日に台湾東部沖や南西部沖の海空域で演習を行った▽演習は「複数の軍隊の共同戦闘…

武士道と極東国際軍事裁判

モノノフ「戦に負ければ、大将が責任をとるのは当然じゃ。自害すること。それが大将の責任の取り方じゃ。乱戦になって自害する間もなく敵に捕えられれば、それこそ俎板の上の鯉、どうとでも好きにせいと、覚悟を決める。それしかない。敵の大将の前に引き摺…

ミサイルシュート

こんなコラムを2006年に書いていました。 アナウンサー「さあ、ノース・パシフィック・カップ、北太平洋での覇権をかけての決勝戦が始まりました。対戦するのは、圧倒的な物量で勝ち上がってきたアメリカと、中ロ韓から支えてもらってきた北朝鮮です。解説の…

無事に帰国することが任務

空自以外の自衛隊が06年にイラクから撤収した。03年12月に先遣隊が派遣されて以来、「自衛隊の行くところが非戦闘地帯」の迷言通りだったのかは知らないが、2年半余りで全員無事に引き上げた。無事だったことは良かったのだが、肝心のイラクが当時、滅茶苦茶…

敵の能力を見誤る

世界の新型コロナウイルス感染者数は5億2011万人、死者数は626万人だ(5月13日)。発生源とも見られていた中国は感染拡大を制御していると自賛していたが、今年に入って変異株の感染が各地で広がり、感染者数113万人、死者数5205人との発表だ(5月12日)…

「愛国心」を取り返せ

こんなコラムを2006年に書いていました。 改正教育基本法に愛国心を明記し、国歌・国旗法のように、いずれ児童・生徒らに愛国心を強制するようにしようと政治家らが策動している。不思議なのは、愛国心を教育に関してだけ持ち出すことだ。これって「愛国心は…

信ずる者は、救われない

2006年のイスラエルの軍事行動は明らかな過剰反応だった。「リタニ川以南はイスラエルが統治すべき」という軍部の暴走を非力な政治家が抑えられなかったというわけではあるまい。チャンスを待っていたところに条件が整い、軍事行動に踏み切る切っ掛けを探し…

抵抗する精神

ロシア軍が国境を超えて侵入してきたことを受けてウクライナは2月24日、国民総動員令を発出し、18歳から60歳の男性に対してウクライナからの出国を全面的に禁止した。ウクライナ国内にとどまった男性が徴用されているのか、自発的な協力を求められるだけな…

真の「亡国」を考える

8月15日はそもそも何の日だったのだろうか。旧日本軍を誇りに思うべき日なのだろうか、軍部独裁政治を多大な成果があったと懐かしむべき日なのだろうか。8月15日に意味があるのは1945年のことだ。この日は、裕仁天皇の玉音放送がラジオで放送され、多くの日…