望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

2020-01-01から1年間の記事一覧

様々な口径

「餃子の王将」運営会社の社長が2013年に京都の本社前で射殺されたが、犯行に使用されたのは25口径(直径約6.35ミリ)の自動式拳銃だった。この25口径の拳銃は専門家によると、ポケットに入れて簡単に持ち運べる小ささで、海外では主に護身用に使われるが、…

トランプ氏の最後っ屁

米議会が可決した9000億ドル(約93兆円)の新型コロナウイルス対策法案にトランプ大統領は署名し、同法案は成立した。署名を拒否するとトランプ大統領は言い、現金給付額の1人最大600ドルは少ないとして2000ドルに引き上げるよう主張していたのだが、政府予…





愛を求める国家

「寛容と民主主義の原理が愛の原理と、多くの場合に矛盾する」と加藤周一氏は書いた(『E.M.フォースターとヒューマニズム』)。続けて「両方を救おうとすれば、一方を個人的面にかぎり、他方を社会的面にかぎって、一種の二元論をとるほかはないだろう」…





捨てるべきもの

妙な例えだが、夏に日焼けをして、大きく剥けた皮膚を「楽しかった夏」を思い出す記念品として大事に保存しておくというのは個人の勝手だが、それを他人に見せて、いかに楽しい夏だったかを説いても、共感を得ることができるとは限らない。むしろ、反対にド…





ゴジラ出よ

怪獣「ゴジラ」がスクリーンに初めて現れたのは1954年(昭和29年)だから66年前だ。当時は身長50メートルとの設定だったが、その後、高層ビルが多くなったため、身長は100メートルという設定になった。50メートルというと、だいたい14、15階から20階ぐらいの…

日本を覆う第3波

国内で確認された新型コロナウイルス感染者数が21万人、死者数は3100人を超えた(24日現在)。東京など首都圏では感染拡大の勢いが止まらず、東京5万4018人、神奈川1万8227人、埼玉1万2482人、千葉9712人と増えた。1都3県で計9万4439人となり、日本全…





米大陸を襲った寒波

ナイアガラの滝は世界三大瀑布の一つとされる(他の二つは、南米のイグアスの滝、アフリカのビクトリアの滝)。米国北部の五大湖のエリー湖からオンタリオ湖に流れ出るナイアガラ川にあるが、2014年の米中西部を襲った寒波で凍りついた。付近では1942年以来…





「許す」こと

「足を踏まれた痛さは、踏まれた人でなければ分からない」という言い方がある。確かに、他人の足を踏んだ人が、足を踏まれた痛さを感じることはないだろう(痛さを想像はできる。誰しも足を踏まれたり、足をぶつけたりした経験はあるだろうから)。 足を踏ま…

「裸の王様」考

1人の子供がパレードの王様を見て、「何にも着ていないよ!」と叫んだ。王様は「ばか者には見えない」特別な布地で仕立てた衣装をまとっていて、お披露目として大通りを行進していた。家臣にも王様本人にもパレードを見ている人々にも、その特別な衣装は見え…





焼そばにも歴史あり

カリッと焼いた麺に、具だくさんのアンが乗っている焼そばを名物にしている中華料理店は珍しくない。暑い夏に熱いスープに入っている麺類を食べると汗だくになるが、焼いた麺に熱がこもっている焼そばを食べても結構汗をかいたりする。だから、冬は熱いスー…

民主主義と民意の反映

民主主義の原則は、議会や政府が主権者の意思を反映して形成されることだ。だが、そうして形成された議会や政府が、一部または大部分の民意に反するような政策を選択することがある。それで、反政府デモなど大規模な街頭行動が起きたり、民主主義の“限界”が…

相手を否定して貶める

議論において、相手の発言がどんなに承服し難かったとしても、感情的になって相手に対する人格攻撃などに堕することは、その議論に負けたことに等しい。反則負けである。とはいえ、人は感情に支配される生き物なので、相手を感情的にさせることも議論のテク…





欧米での外交戦

韓国が「従軍慰安婦」や「歴史問題」を持ち出して、欧米などで日本批判外交を展開し、それに加担して中国も欧米などで日本批判外交を繰り広げている。現在の韓国や中国の政権が対日関係で有利に立つために行っていることで、やがて両国が日本との関係を改善…





中国の成功体験

2014年に中国は安倍首相の靖国参拝の後、欧米など世界各国で日本批判を展開した。外相が各国外相と電話会談して「歴史問題」での日本批判への賛同を求めたり、各国の駐在大使が地元新聞に日本批判を寄稿した。そうした言説が繰り返され、蓄積していくなら、…

情報の生態圏

生態圏とは、生物が存在する領域であり、一般には生物圏と同義とされる。生態学は生物の生活を調べ、生物と環境条件の関係や生物と個体間や集団、他の生物との関係、物質やエネルギーの循環などを明らかにする学問だ。生物は地上にも地下にも海中にも生存し…





すっごく、おいしい

テレビ番組では、タレントが都内のどこかを街歩きして、飲食店などを紹介する企画が珍しくない。いわゆるグルメレポーターという食べ歩き専業(?)のタレントもいるが、バラエティー番組の1コーナーとして若手の芸人やタレントが登場することも多い。問題…

オバマとノーベル平和賞

2009年1月に第44代大統領に就任したオバマ米大統領は、同年10月にノーベル平和賞の受賞者になった。まだ外交的には何の成果も挙げていなかったのだが、「核なき世界」に向けた理念や国際社会への働きかけが評価されての受賞だとされた。確かに、あの頃のオ…





書道で書く言葉

多くの人が書道を初めて体験するのは小学生の時だろう。初めの頃はひらがなで「ゆめ」「はる」「ゆき」「げんき」「あさひ」「さくら」などと書くことから始め、学年が進んで漢字を覚えるにつれて「星空」「朝日」「新春」「春の光」「青い空」「真夏の海」…

エビデンス

犯罪行為が行われている状況を目撃した人が、後に、見た状況を話すことは捜査や裁判で重要な証拠として扱われる。目撃したのが1人だけだったとしても、証言の信憑性が疑われるわけではなく、むしろ、たった1人の目撃者としてその証言が重要視され、犯罪立…





ゴーストライター

人気タレントらがエッセイを出版することは珍しくない。本人が書いたという触れ込みで宣伝するが、実はタレントの話を聞いてゴーストライターがまとめたりすることが珍しくないという。最近ではタレント自身がブログを書き、それをまとめて書籍化したりもす…





ボスニアで暴動

中欧にあるサラエボは今はボスニア・ヘルツェゴビナの首都だ。ここで36年前の1984年に共産圏で初めての冬季五輪が開催された。サラエボはまた、106年前の1914年にオーストリア帝位継承者の暗殺事件が起き、これが第一次世界大戦へとつながったことでも知られ…

分断を生きる

米国には政治信条、経済的格差、人種、宗教、倫理観などによる様々な分断が存在し、違いを認め合って共存する社会を謳う一方で大統領選では人々の対立が先鋭化し、激しく批判しあったり、罵りあったりする光景が繰り返される。今回の大統領選では、選挙後の…





オリンピックは見てない

開催期間中に「オリンピックは見てない」と、ことさらに強調する人がいる。スポーツに無関心な人や話題のイベントに無関心な人もいるから、興味がないのかと思うと、続けて「騒ぎ過ぎなんだよ」などとテレビや新聞の報じ方の批判を始め、「日本人選手のメダ…

世紀の恋

ナチスドイツのヒトラーを支持したり、讃えることは現在、タブーになっている。だから当時も同じだったかのように思いがちだが、ヒトラーを支持した人は世界各国にいた。例えば米国の「自動車王」ヘンリー・フォードは反ユダヤ主義の立場から間接的にヒトラ…





事実と認識

ある問題について考える場合、直感的に善悪の色づけをし、その直感に添うような論を組み立てることは珍しくない。まず冷静に、その問題に関する客観的事実を知ることから始め、どのような事実で構成されているのかを理解することを基本として、それから、自…

感動を与える

感動とは、美しいものや素晴らしい出来事などに強く心を揺さぶられた時の感情だ。心を揺さぶられた対象への絶賛であり、対象を肯定する最上級の表現でもある。日常的に生じる、ありふれた感情ではないから感動は特別な高揚感を伴って記憶されたりもする。 こ…





南岸低気圧と大雪

冬型の気圧配置といえば「西高東低」。大陸から太平洋に向かって北西の風が吹き、日本列島の日本海側に大雪を降らせる。この時期には低気圧は偏西風に乗って日本海辺りを西から東へと進むことが多い。冬型が緩み、寒気の勢力が強く張り出している時などには…

「現実」を先に知る人々

2014年の2月中旬に関東甲信などで記録的な大雪になり、道路が通行できなくなって11都県50市町村で1万9000人近くが一時孤立状態になった。集落ごと孤立したところもあり、1週間経ってもまだ雪が残り、4都県で2百人以上が孤立状態と伝えられるなど、影響…

Go to ロックダウン

日本では全国で感染が拡大して新たに確認される感染者は連日2千人以上になり、累計の感染者数は15万人を超えた。軽症者や無症状者が多いとされるが、重症者も増えており、死者数は2200人を超えた。北海道で感染者が急増して第3波が襲来していると報じられ…

ドキュメント「パンデミック11月」

日本でも世界でも感染拡大が続いている。世界における新型コロナウイルスの感染者数は30日に6251万人、死者数は145万人を超えた。米国とインド、ブラジルの3国で世界の感染者の46%、死者の40%を占めるが、感染者数が100万人を超えた国も続出するなど、感…