望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧





様々な民主主義

2014年のウクライナの政変で大統領の座を追われたビクトル・ヤヌコビッチはロシアに逃れたが、そこから「民族主義者、ファシストが政権を奪った」と親欧州派の新政権を非難し、自分が正統な大統領だと主張した。ヤヌコビッチは2010年の選挙で僅差で勝って大…





高齢者ロッカー

2014年のストーンズの来日公演では、当時70歳のミック・ジャガーが歌いながら、元気にステージを縦横に動き回り、センターステージからメインステージに戻る時にはスキップをしてみせたりした。ステージ評でも、そのことに触れたものが多く、70歳の高齢者が…

探せば、見つかる?

新型コロナウイルスの感染が騒がれ始めた頃、店頭からマスクが消えた。入荷があってもすぐに売り切れ、しばらくは品切れ状態が続き、マスクを求めて探し回る人々の姿が報じられた。マスク製造に参入する企業が増え、中国からの輸入も増えて流通量が増加し、…

「テロ」の意味

中国雲南省昆明市の昆明駅構内で2014年、刃物を持った複数人が駅利用客らを襲い、29人が死亡、負傷者140人以上という惨事が起きた。被害に遭った多くは、たまたま駅に居合わせた地方からの出稼ぎ労働者だと伝えられ、まさしく無差別殺傷事件。個人による同様…





住民が決める

民族自決とは大辞林によると、「ある民族が他の民族や国家の干渉を受けることなく、自らの意志に基づいて、その帰属や政治組織を決定すること。第一次大戦後アメリカ大統領ウィルソンが高唱し、その後の民族独立の指導原理になった」とある。第二次大戦後に…

NHK解体論

映画などの動画ネット配信で定額制ならユーザーは契約期間は見放題となり、好みの作品だけを見てもいいし、手当たり次第に次々と見てもいい。映画などの動画配信に関心がない人なら契約しなければよい。契約を強制されることはないし、動画配信を行っている…

ビールの注ぎ方

ビールをおいしく味わうには、泡がポイントだという。ビール会社のサイトによると、ビールの泡はビールの酸化を防ぎ、炭酸ガスが抜けることも防ぐとともに、苦み成分が多く含まれるので味わいを濃厚にするという。ビールがぬるいと泡は多くなり、冷やし過ぎ…





帰属意識の呪縛

クリミア半島はその昔、モンゴル帝国の支配下になったり、オスマン帝国の属国になったり、ロシア帝国に併合されたりし、1921年にソ連の一部になってからも、第二次大戦中にはドイツに占領された。ソ連邦内のウクライナに移管されたのは60年前の1954年。この…





不合理かエコか

世界初の量産ハイブリッド(HV)車である初代「プリウス」が発売されたのは1997年。“環境に優しい”との先進イメージを確立し、モデルチェンジした2代目以降は北米など世界市場でも売れ、存在感を高めた。そのプリウスにプラグインハイブリッド(PHV)…

名もない白い花

道端に「名もない白い花が咲いていた」などの表現を見聞きすることは珍しくない。ありふれた表現で、昔からエッセイなどではよく見かけ、現在でも放送メディアの風景描写リポートなどで聞くことがある。花など植物に関する知識は乏しいが、きれいな花を見か…





資本主義の死

ソ連が解体して消え、中国は国家資本主義とでもいうべき経済に移行している。小さな独裁国家は残っているものの、経済システムとしての共産主義は歴史的には終わったと言ってもいいだろう。グローバリズムの波は世界を覆い、資本主義のシステムで世界経済は…





金が切れても縁は切れない

「金の切れ目が縁の切れ目」となるのは個人間ではそう珍しいものではないが、国家間の関係においても珍しいことではない。個人間では、わだかまりを相互に抱えたまま関係が疎遠になるだけにとどまらず、批判し合う関係になったりもするので“縁の後始末”は厄…

労働力がやって来る

世界で現在、非合法の移民の主な目的地は欧州と米国だ。欧州へは地中海経由でアフリカから人々が押し寄せ、米国へは中米経由で中南米の人々が押し寄せている。米国は国境の管理を厳しくして受け入れを拒否する構えだが、欧州は拒否する構えではあるものの地…





弾まない会話

弾まない会話というものがある。あまり親しくない相手と同席せざるを得なくなり、互いに気を使って話題を探すが、二言三言で話が続かなくなることを繰り返したり、相手が“受け身”の姿勢で話題を探そうともしない時などには、心の中で「この人は、話したくな…





人生50年

第二次大戦後の第1次ベビーブームの1947~1949年に生まれた人々は「団塊の世代」と呼ばれる。消費動向など社会的に大きな影響を与えてきた団塊の世代だが、2012年以降に65歳に達し始めた。会社勤めの多くの人は定年退職を迎え、高齢化社会をいっそう促進す…

国際機関と国家

地球史を振り返ると、陸地が集まって巨大大陸を形成しては分裂し、また、集まって巨大大陸をつくっては分裂することを繰り返した。現在はユーラシア大陸に向かって陸地が集まる過程にあるとされる。億年単位の動きなので、次の巨大大陸が形成された時に人類…

食と伝統

犬食といえば代表格は韓国。1988年のソウル五輪などでは欧米から批判が高まり、犬肉料理店は裏通りに引っ込んだり料理名も変えたりして“カモフラージュ”しつつ、犬食は続いているそうだ。欧米からの批判があると韓国側は、犬食は民族固有の食文化だとか、食…

クジラと食文化

日本が南極海で行っている調査捕鯨について国際司法裁判所は2014年、科学的研究のためとは認められないと中止を命令する判決を下し、日本では「食文化を失う」「日本の食文化を守りたい」などの反応が出た。日本でクジラ料理は既に日常的には食べない特別な…

表現の自由という武器

フランスの公立中学校の授業で生徒に、表現の自由を教える資料としてイスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を見せた教師がイスラム過激派の男に殺害された。この教師の葬儀は国葬として行われ、マクロン大統領は「あなたが生徒たちに教えた自由をこれからも…

硬いステーキ

最高のもの、一流のものを知っておくことは、見る目を養ってくれる。ただし、最高のもの、一流のものだけを知っていることは、見る目を養うかどうかは分からず、偏った見方をする原因にもなりかねない。望ましいのは、最高のものと最低のもの、一流のものと…

老人という呼び方

多くの人はいつか、老人(高齢者)としか呼ばれなくなる。仕事をしていた頃は個人名以外に、社長とか部長、店長、オーナー、助役などとポジション絡みや、医者、警官、花屋、作家、漁師など職業絡みの呼び名があったが、“現役”を退いて自宅で暮らすことが主…

ソースはかけない

トンカツにはソースをかけて食べるのが一般的だが、そのソースは店によっては独自に調合していることも珍しくなく様々な味わいがある。自宅などで食べる時には、醤油をかけて食べる人もいれば、ポン酢やデミグラスソース、塩などで食べる人もいる。好きなよ…

赤いシャツと白い靴

「他人の目を気にするのは、自己規制だったんだ」と友人は言う。学生の頃は原色を好み、派手な色の組み合わせの服装が多かった友人は、会社勤めを始め、家庭を持った後、すっかり地味な色合いの服装で休日も過ごすようになった。 そのころの服装選びは奥さん…

仮説と検証

2014年の連休中の5月5日の早朝、伊豆大島近海を震源とするM6.0の地震があり、東京都心で震度5弱を観測した。東日本大震災以来、東京でも震度4までの地震は珍しくなかったが、震度5クラスは久々。首都直下地震との関連が案じられたが、この地震は深さ162…

街歩き番組

住んでいる街でも、通ったことがない道はあり、そんなところに紛れ込んだりすると、初めて見る風景が新鮮だったりする。いつも歩いている道でも、こんな店があったのかと路地に看板を発見して少し驚いたりする。何があるか見てやろうと歩くと、知っていたは…

赤字決算のオンパレード

新型コロナウイルスの感染拡大は市場経済をマヒさせた。外出自粛や移動制限などが鉄道会社や航空会社を直撃し、惨憺たる決算発表が相次いでいる。人々による移動の需要が制限されて大幅に減少したのだから、各社の売り上げは大幅に落ち込み、利益が出るはず…

雨が降っているから

「雨が降っているから、天気が悪い」式の言い方がある。これは「晴れているから、天気がいい」という言い方にもなったりする。これらの言い方は正しい。間違ってはいない。誰も文句のつけようがない言い方だが、言われたほうは「そんなの、当たり前だろう」…

ドキュメント「パンデミック10月」

北半球では冬を前に新型コロナウイルスの感染増加が顕著になった。米国やインド、ブラジルなど南米諸国で感染増加は続いていたが、欧州諸国でも再び感染拡大の勢いが増し、各国はロックダウンなどに踏み切らざるを得なくなった。世界における感染者数は10月…

鼻血と健康

だいぶ以前のことだが、職場で鼻血が出て、洗面所に行き、濡らしたタオルで鼻を冷やしていたことがある。そこで、通りかかった人から「大人の鼻血は何かあるかもしれないから、病院へ行ったほうがいい」とアドバイスされた。不安に思ったが、体調に変わった…