望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

未来は不安

天変地異や事件事故・犯罪に巻き込まれることや、自分や家族の罹患、家族や近親者の不幸など人が不安を感じる要素は日常に多い。国によっては、活発に活動する武装集団や犯罪組織による襲撃や誘拐などを現実的な不安とする人々もいるし、政治や経済的要因な…

えんぴつで資本論

こんなコラムを2006年に書いていました。 薄く印刷してある「奥の細道」をえんぴつで、なぞり書きしながら読んで行く本が売れている。柳の下にドジョウは3匹、4匹……徒然草や百人一首など各社は同じ趣向の本を次々に発売してブームの様相だ。「脳トレーニン…

「美しい」の危険性

こんなコラムを2006年に書いていました。 次期首相確実ということで安倍氏に多くの人々・企業・団体が擦り寄っている。こうした光景は「美しい」のか「あさましい」のか、「美しい国」を目指すとか言う安倍氏に感想を聞いてみたいが、聞いても、また、はっき…

侵攻か侵略か

ウクライナに軍を進めたロシアの行動を報じるときにNHKは軍事侵攻という言葉を使用する。侵攻の意味を辞書で見ると、「敵地に侵入して攻めること」「他国や他の領地に攻め込むこと」「攻めて相手の領地に入りこむこと」などとある。侵入したり攻め込んだりす…

センタク屋のシンちゃん

こんなコラムを2006年に書いていました。 全国洗濯屋連合会の会長に新たに就任した通称・シンちゃん、全国団体のトップを務めるには経験不足との声もあったが、前任のワンマン会長の覚えめでたく、その強い推薦もあったことから、すんなり第1回の投票で決ま…

ステータスシンボル?

アトム 「イスラエルの核兵器保有が黙認され、インドの核兵器保有が容認される一方で、北朝鮮の核実験には国連が制裁決議を行った。どこが違うんだろう?」 ウラン 「アメリカとの親密度ね。アメリカの影響が及ぶ国の核兵器なら許容されるということかしら」…

日本人の密かな楽しみ

世界的な日本食ブームだそうだ。特にスシが人気で、ヘルシー指向の欧米などでは日本食の代名詞のようになっているとか。中国でも日本食が受け入れられ、生食を嫌うはずの中国人がマグロの刺身を食べるようになり、そのあおりで世界市場でマグロの争奪戦にな…

より攻撃的になる

民間人の処刑だと解釈できる事例などウクライナに侵攻したロシア軍の残虐行為が伝えられている。組織的に行われているのか兵士個々の判断による行為なのか定かではないが、戦争のおぞましさをリアルに伝える情報だ。今回のロシアのウクライナ侵攻は国連の無…

被害者は日本人

こんなコラムを2006年に書いていました。 管総務相がNHK短波ラジオ国際放送に、北朝鮮による拉致問題を重点的に報道するように命じたという。既にテレビや新聞には命じてあり、命令から漏れていた小さなメディアがあったということで話題になっているのかと…

タウンミーティングより住民投票

かつて行われていた日本政府主催のタウンミーティング(TM)では、会場からの質問の多くがヤラセだった。国会の論戦で、はぐらかしや論点すり替えなど、まともに答えないことが多い政府が、TMでだけ態度を変えて真摯な議論が行われるはずもなかった。 当時の…

情報発信から見えるもの

社会に提供される情報が厳しく管理されている国がある。国内のテレビや新聞では体制を翼賛する情報が主に提供され、SNSなどインターネットにおける情報発信は厳しく監視・制約されて、体制に従順な声があふれる。政府批判はもちろん、政策や官僚の対応などを…

内戦の実態

“やられたら、やりかえせ”。かつてイラクでは報復合戦がスンニ派とシーア派間でエスカレートしていたが、政権側のシーア派に対してスンニ派が分離独立を求めているわけでもなく、シーア派がスンニ派の追い出しを図っているのでもなかった。権力奪取を目指す…

国会議員(代議士)教育基本法

こんなコラムを2006年に書いていました。 安倍内閣が最重要法案としていた「国会議員(代議士)教育基本法」が会期末直前に成立した。これは、世襲議員が増え、首相も世襲議員の就任が続くなどの状況を受けて、国会議員の子弟には小さな時から、将来の議員生…

大きな土砂崩れ

21世紀を迎える前には、新しいことが始まり、「未来」がいよいよ人類の前に具体的な姿を現しそうな気になっていました。21世紀に入って、せめては戦争だけは抑止されるようになったかというと、そんなことはありません。国家対国家から国家対組織へと戦争が…

戦勝国と秩序

第二次世界大戦が終戦したのは77年前の1945年だ。第二次大戦の戦勝国は、全体主義に勝利したとの道義的優越性を漂わせ、第二次大戦終了後の世界の秩序は勝利した連合国が主導した。戦争に勝った側が「正義」を独占する国際秩序だったのだが、戦勝国の行動が…

目つきが妙

自動車のヘッドライトは、一昔前は丸形が大部分で、横長の長方形が少数あるのみだった。丸形でも、2灯式は大型で、4灯式は小型になるなど多少の違いはあったが、基本的にはどの車も同じような「目つき」をしていた。車のデザイン上でもヘッドライトはヘッ…

墓を暴いた者は必ず死ぬ

「墓を暴いた者は必ず死ぬ」は真実である。絶対的な真実と言っていい。特に有名なのがツタンカーメンの例である。ツタンカーメンの墓を暴いた人間たちはその後、皆死んだ。似たような例は最近もある。1991年に標高3000メートルを越すアルプスの氷河で発見さ…

平均気温が上がったら

日本列島は弓形の形をしていて、西日本から関東あたりまでが緩い右上がりで、関東から北海道までは急に立ち上がるようになっている。2022年の桜の開花予想日は、九州・四国が3月の中下旬、中国・近畿・東海が3月下旬(高山は4月上旬)、関東・甲信が3月…

バラエティー番組に出演する政治家

知名度を当てにしてタレントを選挙に引っ張り出して来たのは自民党を始めとする政党だった。得票数が重要な比例代表選挙ではタレントを上位に据え、票の上積みを狙った。しかし、タレントを政党(政治家)は利用する対象としか見ていないらしく、タレントが…

オープン,ジャパン!

イジメ問題で「イジメをなくそう」と政府は、いじめた者への罰則強化などの対策を言い出したりするが、イジメは最近になって始まったことではなく、学校内だけで起きていることでもなく、日本でだけ起きているわけでもない。イジメは人間社会につきものの問…

警察が、でっち上げる

こんなコラムを2007年に書いていました。 鬼平 「鹿児島県議選の買収事件、あれには呆れた。事件を解決するはずの警察が、事件を作り上げていたんだからな」ホームズ「調査能力が落ちているから客観的証拠をつかむことができず、自白に頼らざるを得ないのさ…

政党の弁証法的成長

2009年夏の衆院議員総選挙で大勝した民主党は政権を担ったが、「改革」の実は上がらず、米軍の普天間基地移設問題や消費税などで迷走し、政治資金問題などでの追及や党内対立の激化などで支持率は低迷、2012年に解散・総選挙で主権者の再度の支持を求めたが…

人気投票だよ

2007年の東京都知事選挙で圧勝で再選を決めた石原氏だが、最初の当選は青島幸男氏の不出馬によるところが大きかった。青島氏が選挙に出ていれば石原氏が勝てたかどうか分からない。自分より大衆受けのする候補者が立候補しないこと、それが石原氏の選挙に絶…

グレタはどこだ

EUは2月2日、原子力と天然ガス発電を環境にやさしい「グリーンエネルギー」として認め、「持続可能な投資」に分類できるとした。太陽光や風力など再生可能エネルギーだけに頼ることはできないのが現状だとし、温室効果ガスの排出削減に原子力と天然ガス発…

春を祝う

東京で桜が満開になり、福島で開花するなど桜の開花全線は順調に北上している。例年ならゴールデンウイークの頃は弘前辺りで満開となるようだ。 桜の開花への強い関心は、冬から春への季節の移行を皆で確認し、喜ぶという意味があるようだ。花見をする日本人…

記憶の地VS約束の地

1274年10月19日に3万の元・高麗連合軍が九州に上陸、日本軍1万を圧倒したが、その夜、軍船に引き上げたところで大風に遭い、壊滅的打撃を受けた。1281年に14万の元・高麗等の連合軍が再度、九州を襲ったが、上陸の前夜にまたも大風に遭い、壊滅的被害を受…

ポーズをとる

米バージニア州のバージニア工科大で32人を射殺したチョ・スンヒが、メッセージを録画したDVDを放送局に送りつけた事件が2007年にあった。そのDVDの中に、ピストルを持った両手を広げて、ポーズを決めている映像があり、映画「ハーダー・ゼイ・カム」でジミ…

戦争の記憶の伝承

ロシアがウクライナに侵攻して以来、日本でも新聞やテレビなどは連日、ウクライナの情勢を大きく報じ、都市が攻撃されて破壊された様子や困窮する人々、国外に脱出して避難民となったウクライナ人の様子などを伝える。ニュース番組の他にワイドショーでも大…

権威が共に低下

こんなコラムを2007年に書いていました。 国際紛争を、武力によらず、話し合いで解決しようというのが国連の設立趣旨であるはず。しかし、話し合い(=対立する双方が言い分を主張する)は、双方に解決しようという意図があってこそ結論が導き出される。双方…