望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

サンゴ密漁と法治

小笠原諸島や伊豆諸島などの周辺に2014年、多数の中国漁船がはるばるやって来て、サンゴを密漁していた。対応する海上保安庁は多勢に無勢で、領海に入らないように呼びかける等の対応で精一杯。片っ端から追い散らすことができればスッキリするのだが、密漁…

人気がない緑色

路上で赤色の車を見かけることが増えた。赤といっても派手さは控えめで、落ち着いた深みのある色合い。ワインレッドを濃くして、少し輝きも持たせている。マツダのCMで新型車がまとっている色だ。最近のマツダはヒット続きで、あの赤の新車も増えているの…

改正が意味するもの

憲法の改正というと、改正の是非に問題が絞られるようだ。憲法を改正するか改正しないか、それだけが焦点となる。これはおそらく、「9条を守れ」との護憲派が、現行憲法にはいっさい手をつけさせないとの問題設定をしてきたので、それに影響されているのだ…

雪が行動範囲を広げる

東京などでは冬に雪が降ることは数度しかなく、10センチも降ったなら、それは“大雪”だ。JRなど鉄道各線は運行を取りやめ、路上ではスリップしたり立ち往生する車が続出し、歩道でも転倒する人が増えて大混乱になってしまう。 そうした雪に弱い都市の感覚で…

やっつけで公約づくり

突然の解散・総選挙に直面すると各政党は公約づくりを急いだりする。選挙のたびに「さあ、どうだ」とばかり振りかざされる公約だが、すぐに忘却される。というか、そもそも読む人がどれだけいるのか。民主党が政権を取った総選挙では、マニフェストがウケた…

食べ残しは禁止

中国の湖北省武漢市の飲食業協会は、客が注文する料理数の限度を人数より1品少ない数字に設定した。例えば4人連れなら3品しか注文できない。さらに遼寧省では客が人数より2品少なくしか注文できないという。一皿に盛る量や種類に制限があるのかどうかは…

楽しみな総選挙

選挙が楽しみだ。今度の総選挙には、どんな有能な人物が立候補するのかな? 自分の利益などは顧みず、人々のために尽くすことを考え、国会の会期中も閉会中も懸命に働く人がどれだけ立候補するのかな? 豊かな見識を持ち、特定の層の利益に偏らずに、多くの…

客人

高倉健が主演し、大人気だった任侠映画で、欠かせない登場人物だったのが「客人」だ。主人公の高倉健をつけ狙う悪辣な組織に雇われた凄腕の一匹狼という設定。といっても単純に主人公を襲い続けるのではなく、要所要所で現れては主人公と対立しながら会話を…

日本人になった

米でライト兄弟が、エンジンを備えた飛行機の初飛行に成功したのは1903年12月17日だ。1914年に始まった第1次世界大戦では戦闘機や爆撃機が使用され、大戦終了後に欧州で、爆撃機などを改造して乗客や荷物を運ぶ民間機による空路輸送の歴史が始まった。 民間…

感染するもの

新型コロナウイルスに感染していても無症状の人が相当多く、全米では感染例の4割になり、症状が出る前の人がウイルスをうつすケースは感染例の半数を占める(米疾病対策センター=CDC=の推計)。誰が感染させているのか分からず、感染がどう広がっているの…

新たな革命思想は

世界では各国で格差が拡大しているという。富む者はますます富み、中間層は薄くなり、貧しい者は貧しいままで捨て置かれる。個人の努力や能力に差があるのだから、得られる富にも差が出て来るのは当然だとする考えも有力だが、日々の糧を満足に得ることがで…

実際の使用状況と違う

新型車が出るたびに自動車雑誌には試乗リポートが掲載される。新型車といっても、軽もあれば大型セダン、大小のミニバンやSUV、2人乗りのスポーツカー、商用車など様々なタイプがあって、それぞれに想定される使用状況は異なる。だから、試乗リポートも、…

ひどい落ち込み

各国が発表した2020年4~6月期の国内総生産(GDP)は軒並み大幅な減少となった。新型コロナウイルスの感染拡大を防ごうと実施したロックダウンなどにより個人消費が大きく落ち込み、観光業や旅客業、小売業、飲食業などで経済活動がほぼ停止した影響の甚大…

誕生日ではなかった

観光スポットや駅前などに大きなツリーが電飾されて輝き、商店などでも小さなツリーやサンタが飾られるなど、12月に入るとクリスマスムードが街中に広がる。年末にだけ日本人の多くが、にわかキリスト教徒になったかのような様相だが、もちろん、このクリス…

A現象とB現象

Aという現象が起きたために、Bという現象が現れるとする。その関係を理解している人なら、B現象に遭遇した時に、単独でB現象が起きたとは考えない。その関係を知らず、関連知識などが乏しい人ならば、B現象を単独のものと考えたり、A現象とは別の原因…

拷問はローテクのまま

世界に冠たるハイテクIT企業が多く存在する米国で、国際的な通信傍受システム「エシュロン」や、エドワード・スノーデン氏が暴露した様々な個人情報収集など、情報機関は高度な手法で情報収集を行っている。だが、容疑者を痛めつけて口を割らせるという、…

国家の本質

第1次大戦は国家による初めての総力戦だったとされる。遠くの戦場で常備軍と常備軍が戦う戦争に比べ、巨大な規模の壊滅戦となり、兵力補充や兵站のために多数の市民が徴兵され、兵器などの増産のため生産力が総動員されるとともに、戦争遂行のために精神面…

独裁は腐敗する

世界の腐敗度の、ある国別ランキングによると中国は174カ国中の100位だ(2014年。日本は15位)。中国は前13年に80位だったので、大きく順位を落としたのだが、これは腐敗が深刻になったというより、腐敗の凄まじい実態が徐々に暴かれ、国外からも見えるよう…

急発達する低気圧

2014年12月中旬に、日本海を低気圧が急速に発展しながら東進し、太平洋側を北上した低気圧と北海道付近で合体、台風並みの猛烈な低気圧になった。24時間で50ヘクトパスカル(hPa)くらい中心気圧が下がって、948hPaにも達した。ちなみに10月に大雨と暴風で死…

ギャンブル必勝法

次に来る自動車のナンバーや列車番号の奇数偶数、どこかを通過する次の人の性別など日常の中にも賭けの対象は無数にある。結果をコントロールできず、偶然性に任されている事象は大半が賭けの対象になる。 そうした賭けはゲーム(遊び)としては容認されるが…

歌詞から見えるもの

♪「未来に向かって〜」とか♪「明日に向かって〜」、♪「夢をかなえる〜」、♪「希望の花が〜」、♪「夢の未来〜」、♪「君が見る明日の〜」、♪「夢を重ねて〜」、♪「夢と現実を〜」、♪「果てしなく続く〜」、♪「永遠の希望〜」などといった言葉はJポップや歌謡…

笑うチカラ

約3年ぶりに2014年に行われた日中首脳会談は、両首脳の固い表情の握手で始まり、2人とも親しげな表情は見せないままに終わったと報じられた。公開された映像では、特に中国の習近平主席の不機嫌そうな、ソッポを向いて握手する様子が話題となった。 不快感…

美少年ではない

興福寺の阿修羅像は日本でもっとも人気がある仏像といわれる。2009年に東京国立博物館など各地で開催された特別展の入場者は200万人近くにもなり、美術ファンや仏像ファン以外にも、憂いをたたえた表情で美少年像にも見えるから、“イケメン”を見に女子中高生…

春画や春本という文化

落語にバレ噺というのがあって、寄席では幽霊噺の後に高座に上がった落語家が披露したりする。幽霊噺にゾッとした客に大笑いしてもらって、気分を変えるためだという。場所と時、相手を選ぶワイ談を皆で大笑いできる噺に仕立てるのが、落語家の鍛えた話芸だ…

発想を変えて空き家対策

空き家は全国に820万戸と5年で63万戸増え、総住宅数6063万戸の13.5%を占める(2013年)。総住宅数は5年で305万戸増え、共同住宅2209万戸も5年で141万戸増えたが、世帯数は5459万と総住宅数より少ない。住宅は余っているのだから、人が住まない空き家が増…

表現するものがない

「表現の自由」というと、専制的な権力と闘って人々が勝ち取った権利であり、民主的な社会の構成要件でもあるので、無条件に尊重され維持されるべきものとされる。ただ、「表現の自由」は文化財のように保護されるべき遺産ではなく、人々が様々な自由な表現…

協調より自己主張

感染拡大を抑止するため世界で人々は「対人距離(ソーシャル・ディスタンシング)を確保せよ」と要請されている。感染者であるかもしれない他人の吐いた息を空気と一緒に吸い込むことを避けるためで、商店などでの間隔を開けた行列や劇場などで観客がバラバ…

「表現の自由」にしがみつく

冗談が通じない人に対して、冗談を言うのは控えた方がいい。冗談だから笑ってもらえると期待しても、反応がなかったり、無視されたりするだろうし、場合によっては、冗談だと言っても許してもらえず、機嫌を損ねたり、怒らせたりもしよう。後から「冗談だっ…

本当に味わっている?

数年前に、「まだ世間では誰もウイスキーなど飲んだことない時代に、『やがて日本にも必ずウイスキーの時代が来る』と信じ、本場に負けない国産ウイスキーを造る夢を追った男」(NHKサイトから)を主人公にしたテレビの朝ドラで関心が高まったのか、ウイスキ…

ドキュメント「パンデミック7月」

世界における新型コロナウイルスの感染者数は7月1日の1048万人から31日には1729万人と感染拡大の勢いは増している。死者数は1日に50万9千人を超え、31日には67万3千人を超えた。第1波のピークが過ぎた各国では経済活動が徐々に再開され、人々の移動が…