望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

楽しみな総選挙

 選挙が楽しみだ。今度の総選挙には、どんな有能な人物が立候補するのかな? 自分の利益などは顧みず、人々のために尽くすことを考え、国会の会期中も閉会中も懸命に働く人がどれだけ立候補するのかな? 豊かな見識を持ち、特定の層の利益に偏らずに、多くの人々が平穏に暮らすことができるように目配りできる人がどれだけ立候補するのかな?



 選挙が楽しみだ。誠実で、よく人々の声を聴くことができる人が立候補し、当選したならば、素晴しい社会を実現、維持するために懸命になって仕事をしてくれるに違いない。晴れて議員になっても、ポストや利権をあさらず、人々の幸福よりも党利党略を優先させて動き回るような政治家にはならず、人々に奉仕するという使命を全うするに違いない。



 選挙が楽しみだ。当選して議員になっても、人々のことは後回しで、政党助成金目当てに新党ごっこにうつつを抜かしたり、政党を渡り歩くような人物は、今回は立候補していないに違いない。当選して議員になっても、政策の研究に励み、法律に精通するために研鑽に励み、テレビのバラエティー番組に出たり、タレント活動をするような人物は、今回は立候補していないに違いない。



 選挙が楽しみだ。有能で誠実で理性的な人物が立候補していて、当選して議員になっても、情緒に動かされて判断を誤ったりせず、大局的に判断できる政治家になるに違いない。立派な政治家に成長し、日本を立派な国にするのみならず、国際的な緊張を緩和して、平和で安定した誰もが平穏に暮らすことができるアジア、世界を構築することに励むに違いない。



 選挙が楽しみだ。総選挙で「主権者の声を聞く」ということは常に最大かつ最優先の大義である。住民投票の制度が整備されず、争点ごとに主権者の声を聞くことができない日本では、政治家や政党が主権者の声を知る機会は選挙しかない。政治家や政党が本当に、主権者の声を聞くことを欲するなら、いつでも選挙を行うべきだ。



 選挙が楽しみだ。政党や政治家は勝手な争点を設定するが、何を判断の基準とするかは主権者が決めるもの。当選した政治家や勝利した政党は次の選挙までの期間、好き勝手に振る舞うのだろうから、これからの日本がどうなるのがいいのか、そこに重点に置いて投票したいもの。立派な政治家が活躍するためには、主権者が立派な候補者を当選させなければならない。問題は、そんな人物が自分の選挙区で立候補しているかどうかだが。