望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧





大規模訓練を嗤う

首都直下地震の発生確率が高いと報道された2012年、関東では防災商品の売れ行きが伸びたという。東日本大震災では関東もけっこう揺れたから人々に切実感があったんだろうな。でも、非常用食品などを買いためておけば安心かというと、それは分からない。「そ…





変質した時代劇

最近では時代劇映画は数少なくなり、テレビでも長寿番組「水戸黄門」が2011年で終了、時代劇を見かけることは少なくなった。時代劇というと侍が主役となり、様々な葛藤があって、最後はチャンバラでケリがつく構成が多いようだが、それだけではなかった。特…

一枝を折らば

歌舞伎の「熊谷陣屋」で、源氏の武将の熊谷直実が主君・源義経から与えられた「一枝を折らば一指を切るべし」という桜の木の横に建てられた制札は、枝を折るなとの禁令だが、実は隠されたメッセージだった。それは敵の16歳の平敦盛を捕らえても殺さず、直実…





海氷が減ったが

2012年の冬は寒かった。気象庁の発表(3月1日)によると、 この年の冬の特徴は、1)北日本から西日本にかけて12月、1月、2月と3カ月連続低温で、冬の平均気温が低かった、2)日本海側では平成18年豪雪に次ぐ積雪、3)沖縄・奄美での冬の日照時間は1946年…

小言幸兵衛

え~、落語に「小言幸兵衛」という噺がありましてな。麻布古川の長屋の家主、幸兵衛さん、細かいことにうるさく、長屋を回って、いつも小言を言って歩くので、ついたアダ名が小言幸兵衛。相手がいないと犬や猫、天気にまで小言を言うというんですから、離れ…

最悪の事態を想定

日本は各地で感染拡大の波に見舞われ、政府は緊急事態宣言を次々に適用せざるを得ない事態に追い込まれた。昨年から政府は同じような対策を繰り返している。まん延防止等重点措置を新設してはみたものの、その効果は皆無といった状況だ(市町村が独自の判断…





日本のカジノ

カジノといえばスロットマシンやルーレット、ブラックジャック、バカラなどのギャンブルを行う賭博場で、上流階級向けの社交場であったり、庶民の娯楽場であったりする。欧州には歴史の長いカジノがあるが、近年では、国外から観光客を呼び込むために各国で…





聞き慣れない地名

埼玉県さいたま市は01年に浦和、大宮、与野の3市が合併して誕生(05年には岩槻市を編入)、浦和市も大宮市も消えた。静岡市は03年に旧・静岡市と清水市が合併して誕生、清水市の名は消えた。ほかにも合併で消えた市名は多い。例えば、西東京市の誕生により…





ある日突然

日本には2千万人以上の花粉症患者がいるといわれるが、その8割がスギ花粉症ともいう。死に至る病ではないためか厚労省による花粉症の全国的調査データは見かけないが、耳鼻咽喉科医とその家族を対象にした調査結果によると、スギ花粉症の有病率は全国平均…

台湾での感染拡大

台湾で新規感染者が一気に急増し、政府は全土でバーやクラブ、スポーツジム、映画館、レジャー施設などの営業を禁止し、幼稚園から大学まで一斉に休校させ、居留証を持たない外国人の入国を停止し、台北などでは屋外でのマスク着用を義務化し、人が集まるこ…

意地の張り合い

政府関係者が記者会見等で登壇する時に「日の丸」に向かって一礼する姿を見る。いつ頃から始まったのかは定かではないが、以前には見かけなかった気がする。米国など諸外国でも政府関係者が記者会見などの時に、いちいち自国国旗に敬意を表するものなのか知…

思い込みと因果関係

年に数回発売されるジャンボ宝クジを友人は買うが、それ以外の宝クジは買わない。「当たる確率を考えると宝クジを買うことは無駄だと知っているが、もし当たったら、大きな家を買うとか高級スポーツカーを買うとか世界旅行するとか家族で言い合って、勝手な…





育成か即戦力か

自分のやりたい仕事がはっきりしており、そのための幅広い知識や実践的なスキルも身につけ、協調性を保ちつつも自分独自の意見を言うことができ、英語は使いこなすことができる……というような学生は少ないだろう。でも就職をしなければならないというわけで…

トリカブト

崖から転落したクルマの中で死んでいたドライバーは事故死だと見られていたが、毒殺された後でクルマに乗せられたものと判明、用いられた毒はトリカブトだった……なんて設定は、ミステリーやサスペンスドラマなどで珍しくない。日本のドラマでは、中毒にさせ…





守ってあげたい

Jポップの歌詞に「あなたを守りたい」という種類のフレーズがある。最も有名なのは、1981年に松任谷由実が17枚目のシングルとして発売、ヒットした「守ってあげたい」で歌われたものだろう。その影響かどうかは知らないが、いろいろな曲で同様のフレーズを…

ちょっと一手間

即席麺は世界で食べられている。世界の即席麺の販売量(2018年)は1036億食で、1位は中国の402億食。次いでインドネシア125億食、インド61億食、日本58億食と続く。日本はインドに抜かれて4位になった。インドは人口が日本より遥かに多いので、日本との差…

太陽活動の変動

地球は磁気を帯びており、北極にS極、南極にN極がある。このためコンパスのNは北を示し、方位を知ることができる。この南北の極性は永遠不変ではなく、数十万年ごとに逆転する。最も新しい逆転が起こったのは78万年前だが、周期性はないようだ。研究では…





新生日本が「還暦」

還暦は、現在では満60歳をさすのが一般的だ。なぜ60歳を特別視するかというと、干支が一巡し、生まれ年の干支に戻るのが60年後だからだ。本卦がえりともいう。60歳というと一昔前は定年年齢で、いわば第二の人生の入口(=第一の人生の出口)だったが、現在…

銃を買い始めた

米国では各地でアジア系の人々に対する暴力事件が多発していると盛んに報じられている。ニューヨーク市でのヘイトクライム件数は通報ベースで180件となり前年比73%増えた(1月1日〜5月2日)。2020年に全米16の大都市で警察に通報のあったアジア系に対するヘ…

蘇った「黒旗水滸伝」

竹中労著/かわぐちかいじ画の新装版「黒旗水滸伝−−大正地獄篇」が皓星社から2012年に刊行された(全4巻。各巻とも定価1200円+税)。これは2000年に上下2巻で刊行されたものを4分冊にしたもので、新たに加わった文章などはなく、内容は以前に刊行されたも…

利息が回らない

世界に金融機関が一つだけあり、企業も一つだけあると仮定する。この企業は、あらゆるものを製造し、あらゆるサービスを提供する「万能」な存在とする。金融機関は預金者(企業や投資家なども含む)から資金を集め、企業や人々に貸して利息を得る存在とする。…

アナキズムの復権

新装版で2012年に再発された「黒旗水滸伝」(竹中労著/かわぐちかいじ画。皓星社刊。全4巻。各巻とも定価1200円+税)の第4巻の巻末に収録されている、太田竜氏と竹中氏の対談「アナキズムの復権」が、今日においても刺激的な問題提起をしている。この対…

西洋という未来

明治の頃の日本人にとって「西洋というのは外国というものじゃなくて、未来なんだよね、彼らにとっては」と中村真一郎氏(加藤周一氏との対談から=『加藤周一対話集①』。以下同)。鎖国を破られ西洋列強のアジア進出に直面した当時の日本政府は近代化を急い…





情報統制と虐殺

日本の代表的なアナキストである大杉栄は、関東大震災発生後の1923年(大正12年)9月16日に、自宅近くから伊藤野枝、甥の橘宗一(7歳)と共に憲兵に連行されて、当時の東京市麹町区大手町にあった東京憲兵隊の司令官応接室で3人とも殺害された。 大杉が殺害…

穴を穿つ努力

以前の野党だった頃、自民党とは異なる政治の方向性を示しつつ、厳しく自民党政権批判を繰り広げていた民主党。政権党になったなら、自民党政治の歪みを是正し、庶民の視線で政治を行い、庶民に寄り添った政治の実現に向かって一歩前進するのではないかと、…

中国が倒れる時

生産力の過剰、債務の膨張など様々な問題が指摘されて中国経済の崩壊論は以前から取り沙汰されているが、成長率は低下しているものの中国経済は成長を続けている。公表されているデータが実態をどれだけ正確に反映しているのかは定かではないが、崩壊といっ…





吹奏楽ガール

数年前に、ある地方都市で開催された市民祭りで音楽パレードを見た。市内にある高校や中学の吹奏楽部がいくつも参加して、次々と行進していたが、そのメンバーの多くが女子であることに驚いた。以前から吹奏楽部には女子が多かったのか、それとも、何かのき…

人口1億人だった頃

日本の人口は1億2805万7352人(2010年10月1日現在。日本人の数は1億2535万8854人)だが、少子化による人口減少が危惧されている。人口が減少すると、小学生が減り、中学生が減り、高校生が減り、大学生が減り、就労者が減り、婚姻数が減って家庭数が減り………


石で遊ぶ

ラッコが貝を割るために石を使ったり、木の幹の中の虫を捕るために鳥が小枝を使ったりと、自然界で道具を使う動物はいる。代表的なのはサルで、エサをとったりするために道具を使うという。そういえば、カラスはいろいろなものを使って「遊び」をすることで…

野良猫と祟り

完全なリモートワークに移行した友人は、都心から3時間ほどの自然豊かな土地に移住した。前庭も裏庭も広く、裏庭ではそのうちに畑をつくり、野菜を育てようと家族と意見は一致しているが、現在は手が回らず放置した状態で、夫人が片隅で花を育て始めた。 所…