カジノといえばスロットマシンやルーレット、ブラックジャック、バカラなどのギャンブルを行う賭博場で、上流階級向けの社交場であったり、庶民の娯楽場であったりする。欧州には歴史の長いカジノがあるが、近年では、国外から観光客を呼び込むために各国で作られている。韓国のカジノの客の大半は日本人だというから、集客効果は確かにありそうだ。
観光客が集まり、景気よく金を使ってくれる……そんな効果が期待できるカジノを放っておくテはないというわけで、日本でも北から南まで、多くの自治体がカジノ誘致を望んでいるという。カジノを設置すれば周辺地域や日本各地、更には海外から客がやって来て金を使い、地域振興にもつながろうとの皮算用だな。合法化されれば全国各地にカジノが続々と出現するのは間違いなさそうだが、世界中の金持ちが日本のカジノに来て金を使ってくれるはずもなく、限られた客の奪い合いになりそう。
日本でのカジノ設置には更に大きな壁がある。競馬など公営ギャンブルやパチンコなどの、既に存在している「バクチ」権益との調整だ。客がカジノに流れるだろうから、その分の補填を「バクチ」の既得権益層に与えなければならないだろうし、賭博ではないとされているパチンコの位置づけ見直しも必要になる。
補填といっても少々の金額では済みそうにない。「バクチ」の既得権益層は日本中央競馬会やパチンコ業界のように強大だ。そっくりカジノを任せるぐらいのことでもなければ、同意は得られそうにない。でも連中が運営するカジノでは海外に比べて、高いテラ銭を取られたりするかもしれない。
カジノ合法化の動きに対して、別の冷ややかな見方もある。カジノでは各種のゲームが行われるが、ブラックジャックやバカラ、ポーカー、ルーレットなどで金をかけることが合法化されるのなら、日本で伝統がある手本引き、丁半、ちんちろりん等も日本のカジノでは認められるべきだという意見。確かに「輸入もの」のバクチだけを認める必要はない。
ヤクザ映画で賭場での手本引きや丁半のシーンは印象深いが、それらのゲームはヤクザの専有物でもない。暴力団を排除した日本のカジノで、それらのゲームが日本人客に楽しまれるとしたら、日本にもカジノが根付くかもしれない。カタギの緋牡丹お竜の出番か。
