望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ピンチはチャンス

「ピンチはチャンス」だそうである。業界団体の会合など経済関係で、この言葉をしばしば聞くことができ、世に広まった。ただし、「ピンチはチャンス」だと断定する具体的な根拠はほとんど示されない。不景気にシュンとなって落ちこまず、元気を出そうよ……て…

自然と調和した生き方

え~、日本人は自然と調和して生きて来たなどと書いてあるのを時折見かけますな。本当なんですかね。よく持ち出されるのが江戸時代。そのころの日本人は、自然を畏敬し、自然と調和し、共生していたとか、紙を何度も再利用するなど資源の浪費をしなかったと…

髪の毛を食う

エントツ 「最近、階段の上り下りのときなんかに、ひざが痛むようになった。医者に行ったら、加齢現象だなんて言いやがる。わしに向かって、そんなこと言ったの、あんたが初めてだと言ってやったら、『これからは、ちょくちょく言われるようになりますよ』と…

新聞社は取材費で飲み食い

え~、新聞社の凋落なんて言われていますな。広告の減少が大きな打撃になっているようですが、新聞を読まない若者が増加し、宅配が減るなど新聞離れが鮮明となり、新聞という事業モデルが「寿命」を迎えたなどとも指摘されています。 でも新聞社の問題は事業…

ヴァーチャル・ウオーター

マスメディアなどで、「日本は大量の穀物を輸入しているが、穀物の生育には大量の水が必要。つまり、日本が大量の穀物を輸入しているということは、大量の水を日本が輸入していることでもある」てな文言を見かけることが珍しくない。うっかり「なるほど」と…

米中による世界分割支配

ソ連が崩壊して米国の1強時代になると見られたが、アフガンやイラクへの出兵など軍事力に頼った支配拡大を目指して米国は失敗した。米国では世界を単独で率いていこうとの気配は希薄となり、G20の誕生もあって世界は多極化するとの論が現れたが、大幅な経済…

オタマジャクシ

横町の御隠居のところに熊公が跳びこんで来て、話は始まります(2009年の噺)。 「てえへんだ、能登の国では天からオタマジャクシが降ってきやがったそうだ」 御隠居はあわてず、「ずいぶん変わったものが降ったものだね」。 「あれ、落ち着いてやがら。オタ…

人を増やす

え~、袖振り合うも多生の縁とか申しまして、この世で出会った人は大切にしなければいけませんな。パンデミックで日本に来る観光客はずいぶん減ったそうですが、東京などでは欧米系の人を見かけることは珍しくなく、アジア系の人も多いそうで、外国人密度は…

温暖化論議と神の不在

温暖化により地球環境が危機に瀕しているとの不安が、世界規模で広がっていると内外の報道からは受け取れる。この危機には科学的な裏付けがあるとされ、反対したり異論を主張する人々は、まるで異端者のように攻撃されたりしている。温暖化の危機が絶対的な…

北方からの圧力

中国海軍が「元気」いっぱいだ。原子力潜水艦や航空母艦などの建造を増やし、10年以上前に、米太平洋軍の司令官に中国海軍幹部が「ハワイ以東を米国が、ハワイ以西を中国が管理したい」と打診していたという。ハワイ以西って……日本も入ってる! 中国海軍の大…

敵の敵は味方?

2009年に、北朝鮮の次期後継者との報道が相次いでいた金正雲が密かに訪中していたと朝日新聞が報じた。訪中は極秘にされ、一行は隠密行動し、中国軍宿舎に泊まっていたという。これが本当なら北朝鮮の後継者問題はほぼ確定的だというわけで、北京にいる各国…

お笑い100万票

大阪には「お笑い100万票」があるという。選挙の時に、笑いながら投票する人が大阪には100万人いる……ということではなく、候補者の公約や主張には無関心だが、「こいつ、オモロそうやないけ」と投票する人々が100万人いるというのである。 都市伝説の一種み…

広辞苑によると

一昔前のエッセイなどでは、ある言葉の意味を明確にするため「広辞苑によると」と前置きして、広辞苑の説明を使って言葉の定義を明確にする書き方が珍しくなかった。広辞苑は権威ある大型辞書とみなされており、その説明は客観性を持ち、共有できるとの暗黙…

会っただけ?

え~、サミットとは先進国の首脳会議のことだそうで。集まりましたな。誰かが「ヨッ、大統領!」と声をかけると、「俺のことか」と3人ぐらい振り返りそうですな。誰かが「不人気首相!」とやじると、3、4人ぐらいが、穏やかならぬ表情で横目で見たりして…

「中華民族」のウソ

中国共産党が支配している西域でウイグル族が騒乱を起こしたと中国メディアが報じたのは10年以上前のこと。何が起こり、どうなったのか、共産党に統制されない「真実」を知りたいところです。取材が規制・制限されているのに、中国メディアは、西側メディア…

英霊になったか

世界的に名を知られていた作家の三島由紀夫が死んだのは半世紀前の1970年11月25日だった。場所は東京・市谷の自衛隊駐屯地内の総監室。バルコニーで自衛隊員に向けて演説し、「今からでも共に起ち、共に死なう。われわれは至純の魂を持つ諸君が、一個の男子…

「悪」の設定

例えばヤクザ映画では、久方ぶりに舞い戻った主人公は、世話になった組が新興勢力(たいてい、こいつらは汚いやり方をする)に押されているのを見る。主人公は親分の教えを守って耐えに耐え忍ぶものの、筋を通そうと曲がったことをしない親分が闇討ちされ、…

科学と予言

科学的とは何だろうか。 天文学者は、皆既日食の始まる時間をはるか以前から秒単位で予想し、皆既日食になる地域を軌道計算であらかじめ算定して的中させた。日本では皆既日食より頻繁に発生する地震では、予知は実現していない。噴火は、前兆としての地下活…

50歳では321cm

日本人男子の身長の平均値は、5歳で111cm、6歳で117cm、8歳で129cm、10歳で140cm、12歳で154cm、14歳で166cm、17歳で170cmだ(文科省の学校保健統計調査)。10歳代後半で身長の増加はほとんど止まり、25歳〜49歳の平均身長は171cmほど(厚労省)。 5歳か…

新・大東亜共栄圏

仕事の関係で知り合った中国人がいましてね、大連生まれの彼は、日本の大学を出て、日本人と結婚し、日本の会社に就職して、日本で暮らしているんです。思いつきをすぐ口にし、仕事でも自分の言い分を通すためには怒鳴り散らすのもためらわないというタイプ…

戦争体験の継承

白クマゼミ 「なんで8月になると、新聞などに戦争モノが増えるンですかい? 炎天下の高校野球とともに、真夏だと感じさせる季節ダネになってしまったみたいで、アリガタ味も薄らぐってもんだ」 その日グラシ 「広島、長崎への原爆投下が8月だし、何といっ…

溢れるマネー

米ニューヨーク株式市場は連日で過去最高値を更新し、11月1日にはダウ平均株価が一時3万6000ドルを上回った。景気の先行きへの期待感から買い注文が多いためと報じられた。企業の好決算が続いたが、需要の強さがさらに続くとの見方だ。買いが増えれば増え…

地震と日本列島

このところ地震が相次いでいる。大きな被害がなかったのは幸いだが、「地震国」日本であるだけに、懸念される東海地震をはじめ大地震への不安は大きい。東海地震はマグニチュード8クラスが想定されており、その時には、例えば東名高速はどうなるんだろうか…

一宿一飯の恩義

こんなコラムを10年以前に書いていました。 見ん見んゼミ 「ヤクザ映画では、ベラボーに強い主人公が流れ者という設定がよくある。事情があって旅に出た流れ者が、ある町である組に草鞋を脱ぐ。その組がもめごとに巻き込まれた時には、流れ者は先頭に立って…