望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

2022-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ロシア系住民の保護

ロシアのプーチン大統領は12月22日、ウクライナで続けている軍事作戦の目的は「自分をロシア人、ロシア文化の一部と考えている人々の保護」だと述べ、ソ連崩壊で分断されたロシア人の統合を進める考えを示したと報じられた。ロシアの大統領が、旧ソ連に属し…

哀愁の永田町

こんなコラムを2000年に書いていました。 大山鳴動して鼠一匹も出なかった。ふと「哀愁の永田町」という一席を思いついた(講釈師になった気持でリズムをつけて読んでください)。 止めてくれるな皆の衆、「だめだ、だめです、残りなさい」と、泣いて袖引く…

お粗末な連中

凝った内装で、和風をベースにした料理を出すオシャレな居酒屋が増えたが、そんなところで BGMに流れているのはジャズが多い。ジャズはオシャレなBGMとして根付いたとも言えそうで、ファッションとしてのジャズを巡る動きには固いことは言わないが、評…

知らんけど

「知らんけど」は、何かについて語った人が最後に、真偽には責任が持てないよーと身をかわすように付け加える言葉だ。大阪などから広まったというが、いつか全国でも頻繁に使われるようになり、さらにはニュース番組でも使われるようになったなら、将来予測…

日本語表記の変化が意味するもの

こんなコラムを2001年に書いていました。 日本語の表記の変化は避けられないようです。具体的に言うと、漢字、かな、カタカナが従来の日本語表記で用いる文字でしたが、そこにアルファベットも加わります。すでにパソコン雑誌などでは定着した表記法ですが、…

政治家の責任

日本が過去に行った戦争について、客観的に反省すべき点を反省しない政治家は、過去に責任を持たない政治家といえる。 巨額の財政赤字を抱えているのに、なおも国債頼みのばらまきを続ける政治家は、未来に責任を持たない政治家といえる。 過去あるいは未来…

枕詞

「ぬばたまの」と言えば夜、「たらちねの」と言えば母、「あおによし」と言えば奈良、「くさまくら」と言えば旅、「ちはやふる」と言えば神、「ひさかたの」と言えば光、「やくもたつ」と言えば出雲など枕詞というものがある。しかし、これらは昔に作られた…

杉田玄白の墓

東京南部にある品川神社の境内に富士塚があり、その山頂からは東京湾へと続く街並みを見渡すことができる。神社の横手には板垣退助の墓がある。神社に墓地が併設されているわけではなく、板垣退助の墓は東海寺塔頭の高源院の墓地にあったが、関東大震災後に…

モー娘狂想曲

こんなコラムを2001年に書いていました。 森首相の辞任が先だと思っていたら、中澤がモー娘を辞める方が先になりそうだ。この2人に共通点は、ない。一方は最初から資質、人格を疑われ、その疑いに応えて(?)首相にはふさわしくない人物であることを自らの…

漁夫の利

こんなコラムを2001年に書いていました。 台湾の李登輝元総裁の訪日により日本は対米外交上のカードを一枚失う。 日中の対立が激化することはアメリカにとって好都合だ。アメリカのアジア外交の基本には、日中を仲良くさせないことがある。クリントン政権は…

個別事例と全体像

例えば、何かの感染症により体調不良を訴え、病院に搬送される人が増えているとし、懸命に治療に当たる病院の人々を映像で紹介するニュースは珍しくない。そうしたニュースで各地の感染者数や重症者数、死亡者数などが同時に示されるなら、視聴者は感染症の…

2000円札

こんなコラムを2001年に書いていました。 昨年発行された2000円札は、沖縄サミット記念紙幣だったのかと思うほど、流通していない。1000円札と紛らわしいとの声もあったが、実際には紛らわしくない。だって見かけないんだもの。まれに手元に来ると、…

加療1週間

これは20年ほど前に聞いた話だ。都内にある保険関係の業界紙での出来事という。 定年まで数年のS氏。DTP製作担当の部長をしているが、管理が大好きで、とにかく部下を縛り付けておくのが好きな人だ。管理と言っても、良い紙面を作ることなど二の次で、自…

魂の行方

人間は死ぬと、肉体は滅びるが、精神はどうなるのか。肉体の死と共に消えるのか、魂などとして、この世に残るのか。誰も「正解」は知らない。それは宗教の領域だ。 靖国神社に参拝することを主張する政治家が多くいる。靖国神社は「英霊」が帰ってくる場所と…

カウントされない感染者

日本は感染拡大の第8波の中にあり、新規感染者数が10万人を超す日は珍しくなく、死者数も200人台/日が続いている。累計の感染者数は2669万3664人、死者数は5万2868人に達した(12月15日現在。以下同)。ウイズ・コロナ政策に転換せざるを得ないとの共通認…

竹中労を読むべし

こんなコラムを2001年に書いていました。 大橋巨泉が参院選に立候補するとか。竹中労氏の近刊「芸能人別帳」(ちくま文庫)から巨泉について書いたところを見ると、「参議院選挙に立候補したまえ」とあるではないか。いつ書いたのかと見ると、74年7月だ。 …

身のこなし 

こんなコラムを2001年に書いていました。 新宿駅など、方向も歩く早さもまちまちの人混みの中での若い連中の身のこなしが悪くなっている。人混みの中では、ぶつからずに身をかわして歩くのが当たり前だと思っていたが、若者の運動神経が鈍ったのか、若者のほ…

互いに特別軍事作戦

ロシアは今回のウクライナ侵攻を特別軍事作戦と称している。ウクライナ国内において現実に行われているのはロシア軍とウクライナ軍の戦闘であり、実態は戦争なのだが、ロシアは特別軍事作戦とする。戦争と特別軍事作戦の違いをロシアは説明していない。 ロシ…

いい男ねぇ 

こんなコラムを2001年に書いていました。 男に食い物にされる女がいる。恋愛だと女は思い込んでいるが、頼まれては金を貸し、最後には捨てられる。男のほうは適当な遊び相手で金づるとしか思っていない。恋愛にのぼせてしまってそうなるのかというと、心理学…

テロリズム考

こんなコラムを2001年に書いていました。 1969年公開の「日本暗殺秘録」という映画は東映オールスター出演の映画だが、内容は血盟団事件の小沼正を中心に描いたものだった。 映画については別に論じるとして、デフレ不況が深刻化し、失業者が増え、一方では…

いろいろな言葉

米での同時多発テロは自由主義への攻撃であるとアメリカは主張し、だから世界中の自由を尊重する国々、人々は共にテロ撲滅に立ち上がれと言い立てた。しかし、自由主義国(高度資本主義国)を狙ったものなら、アメリカだけにテロは集中はしなかったろう。欧…

アナキストZXを悼む

若い頃から「俺は野垂れ死ぬ」と公言していたZXよ。病室で家族に看取られて亡くなったことは、さて、無念だったのか、満足だったのか。病によって思うような活動ができなくなったと聞いたのは4年前だった。弱った姿を見られたくなかったのか同志や友人らの…

選挙はやらないの? 

こんなコラムを2001年に書いていました。 通行人A「アフガニスタンを米軍などが攻撃し、タリバーン政権が倒れた後、どうするか。元の国王を引っぱり出そうなんて話が流れている。何が国王だ。そんな奴が出て来ても、政権の正統性は何もないじゃないか」 望…

神は1人

「ゴッド ブレス アメリカ」のゴッドと、「アッラー アクバル」のアッラーとは同一のもの、神は1人(一つというべきか)であるということを日本人のどれだけが知っているだろうか。 天地の創造主であり絶対的存在の神。アメリカ人は神がアメリカに味方して…

はて、面妖な

忍者が出てくる昔の時代劇映画では、忍者の術による怪異な現象に遭遇した武士などが首を傾げて、「はて、面妖な」とつぶやくシーンがあった。空中に人影が現れたり、追い詰めたと思った相手が忽然と消えたり、夜の闇の中に浮かぶ火が現れたりと、それまでの…

難民と移動の自由 

こんなコラムを2001年に書いていました。 アフガニスタンでの空爆や戦火が激しくなるにつれて、危惧されていた難民の周辺国への流出が増えているようだ。テロへの仕返しにアメリカが軍事攻撃をし、戦火を逃れて難民が流出すると、今度は人道支援だと各国政府…

ブッとブッシュの神隠し

9月11日、NYなどでの同時多発テロを知ったブッシュ大統領は、訪問先から急いでワシントンに戻ろうと、大統領専用機「エアフォース1」に乗り込んだ。飛行機は飛び立ったが、ワシントンに戻る途中、飛行経験の長いパイロットでも初めて見るという、妙に人…

オー! ゴールド

20xx年、米の軍事法廷で終身刑を言い渡され服役していたオマール師は、獄中で知り合ったトムの誘いで脱獄に成功した。 誘ったトムというのは元米軍特種工作員で、カンダハル陥落直後、アフガニスタン某地の洞窟でアルカイダの軍資金らしき金塊の山を見つけ、…

変質した革命

中国の各地で、コロナウイルス対策によるロックダウンなどに抗議する動きが発生し、中には共産党の独裁統治を批判する声も上がったと報じられた。ちょうど、習近平氏の個人独裁が固まりつつあると見られるタイミングで、人々が不満や批判を行動で示し始めた…

Xマスの夜に

こんなコラムを2001年に書いていました。 シャロンとアラファトは米NYに住んでいるゲイのカップルだ。パレスチナでの戦火を逃れて、それぞれアメリカにやって来てNYで知り合った。シャロンはユダヤ人、アラファトはパレスチナ人だが、2人とも宗教には特別な…