望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

被害者意識の落とし穴

こんなコラムを2004年に書いていました。 サクラ「やっと実現した日中首脳会談で、中国の胡国家主席が小泉首相に靖国参拝取り止めを求めた。小泉首相は参拝の意図を説明したということだが、面と向かって要請されたからには今後、小泉首相が参拝すれば胡国家…

そういう考えもある

特定の世界観に基づいた理論や主張を振り回したり、押し付けてくる人々がいる。特定の世界観の代表は宗教だろうが、理想とする政治や社会体制を特定の世界観に仕立て上げて賛同者を集めたり、反対者を批判・攻撃する政治運動もある。また、陰謀論に基づく世…

裏でやっていること

こんなコラムを2004年に書いていました。 八っあん「勲一等の勲章をもらったエライさんが、実はこっそり脱税してたっていうじゃないですか。許せねえな」 ご隠居 「斉藤英四郎のことかね。新日鉄の名誉会長で経団連の会長まで務めた御人だ。日本経済界のトッ…

ナッチの盗作

こんなコラムを2004年に書いていました。 多彩な才能を有している人間は実際にいるもので、画家にして作家であるとか、俳優にしてエッセイストであるとか、俳人にして経営者であるとか、コックにしてタレントであるとか、歌手にしてホステスであるとか、司会…

夏を迎えて感染拡大

夏を迎え日本では新型コロナウイルスの感染者が全国で急増している。7月23日には新たに20万975人が確認され、死者数も72人と増えた。感染者は22日に19万5000人、21日は18万6200人、20日は15万2000人と増加ペースが加速した。7月初めころの新規感染者数は2…

国のかたち

人はなぜ国家を欲しがるのでしょうか。別の言い方をします。人はなぜ国家に帰属したがるのでしょうか。現実には国際政治が国家を単位として行われていますし、身の回りの生活の様々な場面で国家の関与が存在するのも確かです。ただ、どうも国家に対して必要…

二ート

こんなコラムを2005年に書いていました。 ニートと呼ばれる若者が52万人いるそうで、厚労省は自立支援・就職支援活動を強化するという。手に職もなく就業意欲の低い若者が大量にいては、日本経済の今後にも大きな影響があるとして動き出したのだろうが、ニー…

大津波と“地球に優しい”

こんなコラムを2005年に書いていました。 震源域が千キロにも及び、断層が13、4メートルにもなったというスマトラ沖地震・津波は、自然の力の計り知れなさを見せつけた。その巨大な力の前には人間も国家も単独では対応できず、支援・対応の規模もまさしく地…

アフガニスタン

外務省サイトなどネット情報にによると、アフガニスタンは「長年の他民族による支配の後、18世紀半ばドゥラニ王朝が成立」「1880年に英国保護領となるが、1919年に独立を達成」し、1973年に王制から共和制に移行し、1978年にクーデターで社会主義政権が成立…

通貨と信用

こんなコラムを2005年に書いていました。 蘇我「ニセ1万円札が出まわったかと思えば、今度はニセ500円硬貨か。次は5000円札か? 100円硬貨か?」 物部「先日、俺もニセ札をつかまされたかと思ったが、よく見ると2000円札だった。2000円札なら、偽札だったと…

ご飯を鍋で

日本人の主食はコメ(米)だ。家庭では炊飯器を使って炊くのが一般的だろうが、パンや麺類などで食事を済ますことや外食などが増え、コメの消費量は減っている。1人当たりの消費量は1962年(昭37)の118.3kgをピークに減少傾向で、2000年に64.6kg、2020年に…

分裂したって、いいんだよ

地図で見ると、中東やアフリカには直線の国境線が目につく。そこにある諸国の大半は欧州の植民地だった。欧州人がやってきて、勝手に線引きし、植民地とした。その土地に住んでいる人々の自発的なまとまり(部族や民族)などとは関係なく、植民地として一括…

それだけで済むのかしら

こんなコラムを2005年に書いていました。 首都圏で直下型の地震が起きると、1万数千人が死亡し、全壊・半壊家屋が80万棟台になり、自宅に住めなくなる人は約700万人、約460万人が避難所で暮らさざるを得なくなり、建物・道路・水道・ガス網などへの直接被害…

存在は空であるか?

キリスト教、イスラム教などをはじめ世界の宗教の大半(アニミズムを含めて)は「存在は存在している」という点では一致しているのに、仏教だけは「存在は空」という特異な考え方をしている。もともと「私」という観念が希薄であった列島の日本人の意識の上…

東京を捨てた友

30年近い付き合いの友人が先日、山梨の山間に畑付きの農家を買い、東京を離れた。子どもらが独立したこともあってか、彼は早期退職に応募、友人間の噂では、独立してコンサルタントでも始めるんだろうということになっていたが、彼は東京の家を処分し、夫婦…

選挙は政権選択

例えば、候補者が公約として掲げる「経済を再生し、賃金アップと雇用拡大」とか「消費税ゼロ」、「出産無償化と教育無償化」、「ガソリン税ゼロ」、「最低賃金は時給1500円」、「高3までの全ての子供に児童手当15,000円」、「年金削減ストップ」などの主張…

正しい食べ方

ある日、飲み屋で知り合った数人が熱く語った。そのテーマは「ラーメンライスはどのような順序で食べるのが正しいか?」。 学生時代に毎日のように食べていたというA氏は、「まず一口、レンゲでラーメンのスープを飲み、そのあとは麺をひたすら喰う。麺を喰…

TVはネットで?

こんなコラムを2005年に書いていました。 雲雀「墨田区の押上に新東京タワーが立つという。高さ660メートルというから、東京タワーのように鉄骨で組み上げるとしたなら、膨大な鉄需要が発生する」 燕 「地上デジタル放送に必要だという説明だが、そんな大き…

全体像の把握が欠如

人々の生活圏でクマが目撃されると、ニュースになる。山村や農村なども人々の生活圏だが、大騒ぎになるのは都市部などにクマが出没した場合だ。山村や農村のほうがクマの生息圏と近く、おそらく山村や農村でもクマの出没はあるのだろうが、そこで大きなニュ…

やっと「独立」できる?

自民党はかつて公表した憲法改正試案要綱で、自衛権と自衛軍の保有を明記した。言語規定があいまいのまま使われている「普通の国」に近付いたということになるのかもしれないが、「普通の国」なら、自前の軍隊で自衛したのだから、国内における外国軍の駐留…

中国にも必要な民主主義

こんなコラムを2005年に書いていました。 毛沢(ケザワ)「これからが面白くなりそうだったのに、中国共産党は反日デモを抑えにかかり始めた」 江沢(エザワ)「井の中の蛙の日本の政治家らに中国政府の意図を思い知らせてやったのだから、反日デモの役目は…

アジア解放を目指した男たち

こんなコラムを2005年に書いていました。 中国も日本も互いに反感を強めあう方向へ動いている。その拠り所にしているのが、それぞれの民族意識と被害者意識だ。これは両国の人々にとって不幸である。 「豊かになれる者から豊かになれ」とする今の中国では階…

倫理観と科学

集中豪雨によって大きな被害が出たとのニュースは、日本のみならず世界各地ですっかり珍しいものではなくなった。世界で集中豪雨が増えたと理解すべきだろうが、気候変動という問題意識がマスメディアに広がり、集中豪雨など「異常気象」に関連しそうな気象…

押し付け牛肉

こんなコラムを2005年に書いていました。 日本国憲法への批判の一つに、占領軍(アメリカ)からの押しつけだというのがあります。実際に、草案を占領軍(アメリカ)が書き、日本側の保守的な案を押し切って採択させたといわれ、草案にはアメリカの影響が強い…

夏だけの短期移住

関東から西日本各地で6月中から最高気温が35度を上回る猛暑日となった。梅雨明けが早く、太平洋高気圧に覆われる日が続き、もう真夏になった(梅雨前線は押し上げられ、北海道などでは雨の日が続いた)。熱中症で搬送される人も多く、秋の到来が平年並みと…

検定狂想曲

ゴマ「日本の検定制度ってのは、えらい評判が悪いそうだ」 ハエ「曲がったキュウリがはねられるなど、日本の検定制度は厳しいからな。多少見栄えが悪い程度でも、ダメ。味は同じだと言っても、消費者、特に都会の消費者が買わないそうだ。わざわざ注釈でもつ…

戦死者と戦災死者と戦争受難者

人は死んだ後、どうなるのか。肉体とは別に霊魂があり、肉体の死後も霊魂が残ると信じるところから宗教が始まる。多くの宗教は、霊魂は神の領域だとするが、神道は霊魂を生きている人間が管理し、時には、霊魂を移動させることもできるという。霊魂を思うま…

国家の主権の根拠

プーチン氏は主権国家を「米国など他国の影響力を排し、独自の判断ができる国」と定義し、主権を持たない国は「厳しい地政学的争いの中で生き残ることはできない」と述べた。ロシアがウクライナに侵攻したのは、米国などの影響力を廃し、独自の判断で行動で…

負け戦の責任

トム 「私はトムです。私は日本語を学んでいます」 スージー「私はスージーです。私も日本語を学んでいます」 トム 「ここはどこですか」 スージー「ここは靖国神社です」 トム 「おお、ここがあの靖国神社ですか。戦争で亡くなられた人々を悼みます。でも、…