望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

成長しすぎた自動車

新型のクラウンのセダンは全長5030mmで全幅1890mm、車重2000kgと巨体になったが、1955年に発売された初代のクラウンは全長4285mm、全幅1680mm、車重1210kgだった。現行のカローラ・セダンは全長4495mm、全幅1745mm、車重1230〜1430kgなので初代クラウンはか…

科学的な思考

科学者は、あらゆる事柄に対して常に科学的な思考を行っているわけではないということを加藤周一氏は分かりやすく説明している。加藤氏の発言を収録した『居酒屋の加藤周一』から引用する。 「『科学者はだまされない』というのは一種の迷信です。ある意味で…

映画と戦争

複雑な民族構成だったユーゴスラビアで、連邦を構成する共和国などが独立する過程で複数の戦争が行われた。独立を正当化するために持ち出されたのが民族自決だが、ある民族の自決の主張は他の民族の反発と民族意識の覚醒を生じさせ、妥協の余地を狭める。民…

女遊びと性加害

アラカンこと嵐寛寿郎は、「鞍馬天狗」「むっつり右門」の2大シリーズの主役を務め、脇役に回った晩年は鬼虎を演じて評判となった大スターだ。「50年も役者やってきて、胸を張っていえることなど、かけらもおまへんけどな。お客を楽しませてきた、これだけ…

時間の存在

時間には実体がない。物質でもなくエネルギーでもなく、どこに存在するのか誰にも分からない。だが、時間が存在すると誰もが確信しているようで、生活や社会活動など人間が関係する行動に時間は密接に関わり、時には、決められた時間に合わせて行動を強いら…

財界の静かな憤り

「日本の未来を守る〜日本社会と民主主義の持続可能性に向けて〜」の言葉を掲げて、多くの財界人や大学教授らが集まって発足した令和臨調(令和国民会議)は、「民主主義は政治家のみによって行われうるものではない。わが国の社会と民主主義の持続可能性を…

権威主義

中国やロシアなど権威主義国家が欧米主導の国際秩序に服さず、対抗心をあらわにして動く世界になった。権威主義とは、「政治的な権力が一部の指導者に集中する体制。大統領や首相などが形式的に選挙で選ばれていても実態は独裁的な場合も含む」とか「支配関…

記録と表現

写真を撮ることは誰にでもできる日常の行為となった。その昔には、カメラは高価で写真を撮ることが特技であった時代があり、映像データのデジタル化ができず、写真を撮るにはフィルムカメラが必要だった頃には、写真を撮ることは家族などの思い出を残すため…