望潮亭通信

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アフガニスタン

 外務省サイトなどネット情報にによると、アフガニスタンは「長年の他民族による支配の後、18世紀半ばドゥラニ王朝が成立」「1880年に英国保護領となるが、1919年に独立を達成」し、1973年に王制から共和制に移行し、1978年にクーデターで社会主義政権が成立した。「1979年にソ連の軍事介入のもとカルマル政権が成立」したものの内戦状態が続き、「1989年に駐留ソ連軍の撤退が完了」した。

 「1992年にムジャヒディン勢力の軍事攻勢によりナジブラ政権が崩壊」して暫定政権が成立するが「各派間の主導権争いにより内戦状態が継続」し、1994年頃から「タリバーンが南部から勢力を伸ばし、1996年に首都カブールを制圧、1999年までに国土の9割を支配」した。だが、2001年10月から「米英主導でアルカーイダ及びタリバーンに対する軍事行動」が行われ、「12月までにタリバーン支配地域が奪還」された。

 面積は日本の約1.7倍あり、人口は3890万人。気候は一般に乾燥気候で、首都カブール(標高1766m)の平均最高気温は7月で24.4℃、最低は1月で零下2.8℃。南西部での夏季の最高は常に40℃を超える。年降水量は約340mmで、その7割が1~4月に降り、7~9月にはほとんど降雨がない。南部のカンダハール(標高1010m)の平均最高気温は7月で32.1℃、最低は1月で5.5℃。最高峰はノシャーフ山(7485m)。

 民族はパシュトゥン人が4割以上を占め、次いでタジク人が3割弱、ハザラ人、ウズベク人など。少数のヒンドゥー教徒シク教徒を除き、住民の99%がイスラム教徒で、その86%がスンニー派、9%(おもにハザーラ人)がシーア派。裾の長いシャツと幅の広いズボンが伝統的服装の基本である。主食は小麦のパン、副食品として重要なのは乳製品。チャイがよく飲まれる。

 イスラム教は7世紀後半に入ってきて仏教やゾロアスター教を消滅させ、深く根を降ろした。町にも村にもモスクがあって1日5回の礼拝が行われており、断食もかなり忠実に守られている。識字率が低く、読者層が限られるため出版は盛んではない。1998年にタリバンが政権を握ると、マスコミは制限され、テレビ放送も禁止された。

 GDPは192.9億ドル(2019年。1人当たりGNIは530ドル)で、主要産業はサービス産業、農業、牧畜、建設業、鉱業・採石業など(就業人口の推計65.6%が農業に従事=2004年)。主要な輸出品はドライフルーツが最も多く、次いで薬草、果物、鉱物、野菜など。主要な輸入品は食品が3割を占め、次いで石油、機械類、金属類など。

 アフガニスタンとは「アフガン人の地」という意味。天然資源に乏しいため、世界でもっとも貧しい国の一つである。アフガニスタンの主要産業は農業であり、自作農が多く、大土地所有は発達していない。生産量で最も多いのは小麦、次いで米、トウモロコシ、イモなど。ケシの生産量は2002年以降に急増し、2004年には4200トンになった。南部地域に多く、タリバンの資金源になることが心配されている。