望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

初期症状はカゼ

 新型コロナウイルスに感染した人が日本でも世界でも大幅に増え、感染すると、どういう症状が出て、どういう経過をたどるのか多くの症例から見えてきた(厚労省医療機関のサイトなどからまとめた。感染しても無症状の人が多いことも判明)。
 
 感染した場合の初期症状として指摘されているのは、▽発熱(微熱も)▽セキや息苦しさ、呼吸困難▽ノドの痛みや違和感▽頭痛▽強い倦怠感や不快感、悪寒▽味覚・嗅覚異常(何かを食べても味を感じない、食べ物のにおいが分かりづらい)▽鼻水や鼻詰まり▽筋肉痛や疲労感▽胸の痛み▽目の痛みや目の周囲の赤み▽食欲不振▽下痢、などだ。どんな症状がどんな組み合わせで出るのかは人によって異なり、ほとんど自覚症状がない人もいる。

 一般的な経過は、①感染したら潜伏期を経て発熱、セキ、ノド痛、倦怠感などのカゼと同じ症状が現れる(人によっては下痢なども)、②カゼの症状が約1週間続いたのち、8割の人は快方に向かう、③2割の人はカゼの症状から肺炎を合併する(高齢者や持病がある人は肺炎を合併しやすい)、③2割の人のうち4人に1人は重症化する。

 これは一般的な経過であり、人によって発症状況や経過は異なり、高齢者や基礎疾患などがある人、妊婦では発症からすぐに肺炎に至ることもあるというから注意が必要だ。これらの人はカゼの症状が現れたなら、早めに医療機関などに電話相談する必要がある。

 カゼの症状が現れてから早期に重症化する兆候としては、顔色が明らかに悪い/唇が紫色/息の荒さや呼吸困難/急な息苦しさ/胸の痛みが出てきた/横になれない/座らないと息ができない/朦朧としている/脈が飛ぶなどがあり、すぐに医療機関に相談する。

 普通のカゼは発症から3〜4日でピークを過ぎるが新型コロナ感染症では症状が長引く。カゼの症状が現れた人が新型コロナウイルス感染を疑って早めに病院に行っても、症状からだけでは区別が困難で、もし感染していた場合は感染初期の感染力が強いので、待合室などで感染を拡大させる可能性がある。

 医療団体は、カゼのような症状が出た人に「最初の数日間は受診せず、仕事や学校を休んで外出を避け、自宅療養してください」とし、自宅療養の期間は4日間(高齢者、持病がある人、妊婦は2日間)。自宅療養中は1日2回(朝・夕)体温を測って記録し、自宅療養に不安があるときは,かかりつけ医療機関に電話して担当医のアドバイスを仰ぐよう勧めている。