望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

上位10

 世界の感染者数は2億3363万人、死者数477万人と増え続けている(10月1日現在。以下同)。感染拡大のペースが緩やかになった日本では感染者数は170万2580人、死者数1万7685人。9月末日で緊急事態宣言とまん延防止等重点措置が全面解除され、飲食需要や旅行需要などが活発化する兆しが伝えられ、ワクチン接種の普及もあって、ある種の解放感が漂い始めた。

 行政や医療関係者からは、人流や移動などの増加による感染拡大を懸念する声が伝えられ、冬に向かって第6波が到来するのは避けられないとの雰囲気。問題は、第6波の感染拡大がどの程度になるのかだが、先のことは誰にも分からない。ワクチン接種の拡大の効果を現実社会で試すことになる。

 第5波は大きな波だった。日本では1日あたりの新規感染者が1万人を超える日が続き、2万人を超えた日もあった。ワクチン未接種の年代に感染が広がっていたが、ほとんどの年代でワクチン接種が進むとともに感染拡大の勢いが衰えた。これがワクチンの効果であるなら第6波は第5波より新規感染者数は少ないと予想できるが、人流や移動の増加という要因が加わる。

 COVID-19についてはなお未知の部分が多く、人類は制御できていない。英国などが人々の行動制限を緩める社会実験を行っているが、日本でも規制を緩めて、感染状況がどうなるか実際に確かめることにしたと見える。ポイントは医療体制の逼迫度で、感染者が増えても重症者が少なければ、おそらく社会は規制緩和を許容する。

 米国でツアーを始めたローリング・ストーンンズのライブの様子がSNSに断片的にアップされていて、満員の観客が盛り上がっている。1日あたり新規感染者が10万人を超える日が続いている米国で、ストーンズの大規模コンサートでどれほどの感染拡大が起きるのか、これも社会実験だな。

 感染状況を知るために様々な上位10を見てみる(1位から順に10位まで)。

 ▽日本で感染者数が多い上位10=東京37.5万人、大阪19.9万人、神奈川16.7万人、埼玉11.4万人、愛知10.5万人、千葉9.9万人、兵庫7.7万人、福岡7.3万人、北海道6.0万人、沖縄4.9万人。
 ▽日本で十万人あたりの累計感染者数が多い上位10=沖縄3417人、東京2698人、大阪2268人、神奈川1823人、千葉1591人、埼玉1561人、福岡1448人、兵庫1416人、愛知1398人、京都1374人。
 ▽日本で死者数が多い上位10=大阪2970人、東京2934人、北海道1467人、兵庫1388人、神奈川1263人、愛知1136人、埼玉1007人、千葉999人、福岡610人、沖縄312人。

 ▽世界で感染者数が多い国の上位10=米国4361万人、インド3379万人、ブラジル2144万人、英国787万人、ロシア742万人、トルコ715万人、フランス711万人、イラン560万人、アルゼンチン525万人、スペイン496万人。
 ▽世界で死者数が多い国の上位10=米国70.0万人、ブラジル59.7万人、インド44.8万人、メキシコ27.7万人、ロシア20,4万人、インドネシア14.2万人、英国13.7万人、イタリア13.0万人、コロンビア12.6万人、イラン12.0万人。
 ▽世界で致死率が高い国の上位10=ペルー9.2%、メキシコ7.6%、中国4.8%、インドネシア3.4%、南アフリカ3.0%、ロシア2.8%、ブラジル2.8%、イタリア2.8%、ポーランド2.6%、コロンビア2.5%。
 ▽世界で十万人あたりの感染者数=米国13162人、英国11605人、ブラジル10081人、イタリア7733人、ロシア5088人、インド2447人など。