望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

近ごろ巷に流行る歌

 こんなコラムを2002年に書いていました。

 巷に流行る替え歌が聞こえてきました。

 ここはお国を何百里 離れて遠きインド洋の 赤い太陽に照らされて 暑くて戦争出来ません……冷房完備の軍艦を日本は派遣したとやら。どうせアメリカ軍の機嫌を取るためだけの役目なのですから、むしろ豪華客船を派遣したほうがよかったのに。女の子をいっぱい乗せてさ。アメリカ軍兵士の休暇用の船とでもしたほうがアメリカに対するアピール度は強かったぞ。

 勝って来るぞと勇ましく 誓って国を出たからは 暑さなんかに負けらりょか 国際貢献と聞くたびに 瞼に浮かぶブッシュの顔……日本軍の皆さん、任務ご苦労様です。二世のボンボン政治家連中が、やけに勇ましく、皆さんをあちこちに出したがっています。戦争体験がなく、政治家の子供として、ちやほやされて育った連中の政治意識が妙にタカ派的になるのは、観念としての政治しか考えていないからでしょう。その観念も日本的保守の範囲内に制約されています。それと、絶対に自分は戦場に、視察以外には行かないと信じているからでしょう

 日本の日本の曲がり角 倒産・失業・ホームレス あーたろうか あたろうよ 財政真っ赤に燃えている……堕ちよ堕ちよと坂口安吾さんは敗戦後、言いましたが、今の日本も落ちるところまで落ちなければ何も変わらないのかもしれません。底はどこだ? 今か? 誰にもわかりません。改革が必要だなんてワンパターンの声が聞こえてきますが、お題目ばかりでは、落ちていく日本の支えにはなりません。もしかすると、今の50代以上が社会から退陣するまで日本は落ち続けるのかもしれません。