「大事の前に小事にこだわるな」というのは一見、大局から見ている言葉のようだけど、この手の物言いが出てくるのは大抵、当事者が異論を考慮する余裕がなくなった時なんだな。自分の主張を大事だとし、異論を小事だと検討もせずに退ける。それと、こんなことを言う人の多くは肝心の大事も達成できないことが多い。
改革なくして成長なしーってことは、成長を考えなければ改革はなくてもいい? 成長にとらわれない経済のあり方を考えることは重要だけれど、今の日本に必要なのは、公共事業費として多額の税金が土建屋などに流れ、彼らが自民党議員の当選を助けるなどという政治と結びついた既得権益がはびこる構造を正すこと。
それが構造改革であるのに、経済成長と結びつけるからポイントがぼやける。土建屋や宗教団体などの助けがなければ当選できない自民党議員は必死に成長優先と叫ぶ(具体的な改革案=既得権益の縮小が具体化すると、彼らは必死に阻止しようとする)。