望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

面倒みてやってるのに

 こんなコラムを2003年に書いていました。

 北朝鮮が「暴発」した時に、日本をアメリカに守ってもらうためには、アメリカのイラク侵略を支持せざるを得ないというのが日本政府の本音だそうだが、日米安保条約では日本が攻撃された時にはアメリカは日本を守る義務があるのだから、日本政府は卑屈になることはないのだ。

 いざという時に日本を守るために、米軍は日本国内に多くの基地を置き、多額の「思いやり予算」で面倒を見てもらっているのだ。日本が独立国としての挟持をしっかり持っていたなら、他国の軍隊に土地を占有され、騒音などの迷惑を被り、さらには「思いやり予算」までつけて米軍の面倒を見てやっているのだから、一朝有事の際には米軍は日本を守れと日米安保条約に基づいて要求すればいいだけだ。

 蛇足ながら付け加えると、日米安保条約は相互防衛条約ではない。日本が攻撃された時にアメリカは日本を守る義務があるが、日本がアメリカの戦争に加担しなければならない義務はない。アメリカの発案による日本国憲法により、日本が武力を放棄する代わりに、アメリカが日本を守りますというのが戦後の日米関係の基本構図なのだ。日本国憲法日米安保条約は一体のものである。

 戦後の日本占領をモデルにアメリカはイラク統治をすると言われているが、おそらくイラク武装解除すると共に、サウジなどからも米軍を集め、中東での米軍の拠点にするつもりだろう。イラクは地理的に中東・西アジアの要の位置にある。ついでに戦争放棄、武力放棄の平和憲法イラクに与えるかな、アメリカは。