望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

見栄か?

 セックス回数の世界平均は1週間に2回(103回/年)。好き者揃いはフランスで2.7日に1回(137回/年)。ギリシャハンガリーが僅差でそれに続く。日本は8日に1回(46回/年)の割合で、調査対象国の中で最下位だった−−これは欧州のコンドームメーカーが同社のサイトを通じて41カ国35万人を対象に行った調査(2004年)の結果。

 調査結果によると、欧州勢は“お盛ん”なようだがアジア各国は“衰弱”気味で、最下位の日本のほか、香港、シンガポールが4.6日に1回(79回/年)など“世界平均”を下回っている。前戯の時間も世界最長の22.5分のイギリス、22.2分のドイツ、21.8分のアイルランドなどに比べ、タイが11.5分で世界最短になるなど“淡白”。また、世界平均では35%が「セックスの度にオルガズムを感じて」おり、イタリアが69%で1位なのに対し、日本は30%で下から4番目と“充実度”でも欧州勢に差をつけられている。

 調査の信憑性には議論があろうし、これらの数字が“実態”であるとも言い切れないが、なにやら“衰退”する日本を象徴するようなデータだ。

 なぜ日本ではこんなに「回数」が少ないのだろうか。その理由は一般的に見て(1)日本は個人に対する抑圧が強い社会だから個人が“消耗”している、(2)女性に結婚願望・恋人願望が強いので、セックスにオープンでない、(3)高齢化が進み、セックスに積極的ではなくなった、(4)欧州のコンドームメーカーのサイトなので日本人はあまり見ておらず、アクセスした連中が“淡白”な連中ばかりだった、(5)日本人はつい正直に答え、見栄を張るのを忘れた、(6)1年の回数ではなく1ヵ月間の回数と勘違いして答えた……。

 セックスは個人的なものであると同時に、パートナーが必要であり、社会性をも示すものである。家族の解体とセックスの状況は密接な関係があろう。社会学者、民俗学者らの調査を期待したい。