望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

弱者切り捨て

 こんなコラムを2002年に書いていました。

革命浪人「小泉改革なるもの、実態が見えないとマスコミは批判するが、実態ははっきりした」

酔いどれ「なんだ、実態とは」

革命浪人「実態は、弱者切り捨てだ。構造改革の名の下に首切り=リストラを容認し、企業倒産を歓迎し、失業者を溢れさせる。健康保険料を引き上げる一方、課税最低限を引き下げる」

酔いどれ「しかし、所得税の課税対象を引き下げるのは広く薄くの考え方で、相続税を引き下げるなど、庶民にも損ばかりじゃあるまい」

革命浪人「それらは金持ちへの恩恵の方がはるかに大きい。だいたい小泉の言っていることは銀行に都合のいいことが多い」

酔いどれ「それじゃ、小泉への高い支持は何なんだ? 旧来の自民党政治を変えてくれると期待しているから、あんなに高い支持があるんじゃないのか」

革命浪人「そこが欺瞞なのさ。小泉以外に選択肢がないかのように雰囲気作りがなされる。民主主義は、絶対的な指導者を選ぶものではなく、比較1位がだめなら比較2位にする。そんな制度なのに、小泉の個人人気イコール民衆の政治的判断だとすり替えられる」

酔いどれ「じゃ、小泉を支持した大衆は小泉に裏切られるのか」

革命浪人「そう。踏みつけにされても大衆は多分、小泉を支持するんだろうな。政治家側から見れば、いい大衆だ。政治に食い物にされた大衆は、徹底的に食い物にされるのさ」

酔いどれ「どうしたらいいんだ」

革命浪人「大企業優遇策が改革の名の下に進められるだろうから、個人も大衆も借金を踏み倒すなど、ずぶとく生き抜くしかない。自殺なんかするな。食うか食われるかだと腹を決めて開き直って生きるしかない。生活に困った自殺者を、権力者や金持ちは喜んで見ていると思うべきだな。その分だけ面倒が減ったということでさ。だから、自殺するより強盗でも何でもやって生き抜け。生き抜いた者の勝ちさ、今の時代は。まさしく自己判断と自己責任さ」