望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

10代後半

 こんなコラムを2002年に書いていました。

 ボブ・グリーンが「10年ほど前に10代後半の少女と不適切な性的行為を持った」ため米シカゴ・トリビューンを辞任したと外電が伝えている。日本でも16歳の少女と性的関係を持ったとして逮捕された男のニュースが伝えられた。

 個別の事件のことはさておくとして、例えば、17歳以下の少女との性的関係を法律なり条例で規制の対象とし、18歳以上は容認するということには肉体面からの合理性はない。それでは何故規制するのか。少女が性の対象となる、或いは性の対象と見なされることへの拒否感、反発が社会にあるからだろう。

 その理由は一つには、親が娘を保護したいという思い、二つには、少女を「純」なるものとして「保護」したい感情、三つには、少女を性から遠ざけておきたい一般女性の感情、などが考えられる。三つ目をもう少し説明すると、男性の性衝動の根底には無意識ではあっても子孫を残したいという衝動があり、その場合、相手が若ければ若いほど生殖、子孫を残すには有利だとの判断が付随していると考えられる。つまり、少女を自由にさせておくと、自分の亭主や恋人が少女にふらふらとしかねない、だから女性達は理由をつけて少女を性から遠ざけておこうとする。

 ボブ・グリーンは読者に謝罪したという。「強制ではなく合意の上での関係なのだから、何が悪い」とは言えなかったということか。おそらくアメリカでは、宗教国家らしく、少女との性的関係には宗教面からの批判が強いのだろう。ということは、実際には昔から広く行われていたと見られる。一方、日本では、法的規制が必要なほど、援助交際なるものも含め、まん延しているのかもしれない。こちらは商品化がはなはだしい。

 いつかボブ・グリーンが、少女の性と社会的規制について書くことを期待したい。すぐには書けないだろうが。