望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

北国にとっての温暖化


ソウルっ子「韓国でこれまで獲れなかったマグロが、獲れるようになったという。温暖化による海水温上昇によるものと見られているが、一方で寒流系のタラ、ニシンなどの漁獲量が激減しているという。何かが獲れなくなっても、代わりに何かが獲れるようになる。好みの味の魚が減るといった問題はあるだろうが、魚が食べられなくなるわけではない」



道産子  「温暖化問題なるものはEUの戦略じゃないかっていう疑いがぬぐえないなあ。温暖化は危機だとばかり言われているが、危機ではなく変化と考えたほうがいいよ。農業で考えると、温暖化により作物の生産適地が変化するだろうが、お米の主生産地が北海道になったり、ミカンが東北で獲れるようになったり、九州でバナナが獲れるようになったり、四国でパイナップルやマンゴーが獲れるようになったり、たいして問題はないんじゃないか」



ソウルっ子「温暖化というと、氷河が溶けているとか、北極海の氷が少なくなり、白クマの絶滅も危ぶまれるとか、砂漠化が進むとか言われる。温帯に位置する我々には、たいした危機ではないと言いたくなる」



道産子  「台風が大型化するというが、大型台風は過去に何度も襲来している。CO2排出量を減らせば台風の大型化を確実に避けることができるという保証もないようだし、ねえ。イメージ広告みたいに温暖化の危機が取り上げられるが、“お話”の刷り込みが繰り返し行われているような気がしてならないな」



ソウルっ子「ソウルの冬は結構厳しいから、暖かくなるということは大歓迎だ。冬が少しでも過ごしやすくなるのだったら、温暖化は悪いことではない。夏に暑い日が増えたり、大雨が増えたりするかもしれないが、冬の寒さと引き換えだったら甘受する人が多いんじゃないか」



道産子  「北海道の冬が暖かくなると、住みやすくなるなあ。暖かくなるといっても、冬に全く雪が降らなくなることはないだろうから、融雪水が必要な作物への影響も少ないだろうし、影響があったとしても他の作物に適する環境になるかもしれない。温暖化で水不足になるとも懸念されているが、水に恵まれている日本に大きな影響はあるまい」



ソウルっ子「白クマが減るのは哀しいが、生態環境の変化に左右されるのは野生生物の宿命。マスコミには取り上げられなかったけれど、環境変化により死んだ野生生物は過去にも世界中にいたはずだ。情緒的に温暖化のイメージばかりが撒き散らされているようだ。怖いぞ、怖いぞ、温暖化が来るぞ、といった調子で」

道産子  「温暖化に踊らされないようにしたいね。北国の自分の生活に当てはめてみると、温暖化もそう悪いことじゃないと思えてくる。具体的に温暖化を考えると意見が割れるから、イメージ先行で温暖化を危機だとアピールし、温暖化対策に関心を集中させるように仕向けているように思えるなあ。温暖化したって、不都合な真実ばかりがあるわけではない」