望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

プロスポーツ選手の所得

 日本プロ野球選手会によると、プロ野球選手の平均年俸は3826万円(2017年。出来高分除く。12球団の支配下公示選手734人)。年俸1億円以上の選手数は72人で全体の9.8%になるが、最も多いのが500万〜1000万円未満の212人で28.9%、次いで1000万〜2000万円未満188人の25.6%。500万円未満62人、8.4%なので、2000万円未満の選手が62.9%でほぼ3分の2を占める。

 プロサッカー選手について公式発表はないようだが、専門サイトによるとJ1の平均年俸は2313万円(2017年)で、年俸1億円以上は11人だという。レギュラークラスで1000万〜5000万円程度というが、金額別の人数は詳らかではない。J2になると平均年俸は約400万円と大きく下がる。

 大相撲の十両以上の力士には日本相撲協会から給与や各種手当が支払われる。横綱の月給は約282万円で、2カ月分の賞与も含め年収は約4000万円プラス各種手当等となる。懸賞金や優勝賞金などが多ければ年収は1億円を超すという。大関の月給は約234万円、三役は約170万円、平幕は約130万円、十両は約100万円。なお力士の総人数は約700人で、十両以上は約70人と1割。

 プロスポーツでは最も人数が多いとされる競輪の登録選手数は2339人(2017年)。選手は大きく上位のS級と下位のA級に分かれる(女子はL級)。さらにS級、A級とも3段階に分けられ、最上位から順にSS、S1、S2、A1、A2、A3。選手数はSS9人、S1は211人、S2は458人、A1は542人、A2は553人、A3は457人、L級は109人となる。

 競輪選手の収入は賞金が主で、2017年の平均取得額はSSは9009万円、S1は2236万円、S2は1242万円、A1は840万円、A2は715万円、A3は582万円、L級は667万円となる。S級の平均は1653万円、A級は716万円、総平均は979万円。1億円以上は5人おり、トップ選手は1億8279万円。女子のトップ選手は2263万円。

 選手数が多い競輪だが、以前はもっと多く、4千人以上の時代もあった。10年前の2007年には3574人(平均取得額は1112万円)だったが、2012年に3千人を割った。各地で競輪場の閉鎖が相次ぐなど開催数が減っており、賞金総額も2007年には388億円あったが、2012年に300億円を割り、2017年は235億円と10年前より153億円も減った。

 平均年俸はプロ野球選手が高いといえるが、選手寿命は平均で約9年とされ、Jリーガーはもっと短いという。活躍して数年で年俸を高くできなかった選手は、平均年俸に届くこともなく引退を迎える。それに比べ競輪選手の選手寿命は長く、50代の選手も珍しくない。競輪選手が細く長く競技人生を続けることができるのは、ランク下位の選手だけで出走するレースが常に組まれていて賞金を稼ぐことができるからだ。