望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

常に動いている

 帰省した友人一家と海を眺望できるレストランで会食した時に、友人の子供が穏やかな海を見渡して「静かで落ち着く。動いてるのは波ぐらいだ」と言ったので、実は地球は激しい運動を常に続けていると説明すると友人の子供はたいそう驚いていた。友人の子供に説明したのとほぼ同じ内容のブログを再録する。

  地球の自転の平均速度は約1670km/時(赤道上)というので、秒速にすると約460mになる。日本付近では地球の直径が赤道よりも短くなり、1日の長さは24時間と同じなので自転の速度は約1380キロ/時、秒速は約380mほどと赤道よりも遅くなる。
  地球は太陽の周りを公転しているが、その速度は約10万8000km/時とされ、秒速にすると約28km。自転しながら地球は太陽の周りを凄まじい速度で移動を続けているのだから、部屋の中でじっと座っている人も、太陽系の外から見ると、激しく動き続けていると見えるだろう。
  さらに太陽を含め太陽系も天の川銀河の中を周回している。その速度は諸説あるが、約86万4000km/時とすると秒速240kmになる。地球も太陽と一緒に想像を絶する速度で動いているのだが、宇宙は広大だ。太陽系は天の川銀河の中心から離れた端の方に位置するので、1回の周回に2億年以上かかるとされる。
  約240km/秒で移動する太陽の周りを、地球などの惑星は太陽の移動方向と垂直の方向に公転しながら、太陽とともに約240km/秒で移動する。地球など惑星の公転は、書籍などの図(平面)では太陽を中心にいくつもの円で描かれるが、その円は宇宙空間では引き延ばしたコイルバネのような螺旋運動で地球などは太陽を回っている。
  さらに、天の川銀河も動いている。どのように動いているのかは明確には判明していないが、250万光年ほど離れているアンドロメダ銀河と近づきつつあり、数十億年後に衝突するとされる。おそらくアンドロメダ銀河も天の川銀河も距離を縮めるように互いに動いているのだろう。
  他にも、膨張を続けているとされる宇宙では、宇宙空間そのものに動きがあり、その動きは宇宙の全ての物質に影響しているだろう。その動きがどのようなものかを知ることは簡単ではないだろうが、地球表面の、例えば、公園のベンチにじっと座っている人も宇宙空間の動き(膨張)の中にいる。
  地球は自転しつつ、太陽を中心に約28km/秒で螺旋を描きながら公転しつつ、天の川銀河の中を約240km/秒で移動しているが、天の川銀河もおそらく凄まじい速度で移動している。地球上の人々は、想像を絶するジェットコースーターに乗り続けている。