こんなコラムを2004年に書いていました。
パンダ 「アジアカップで君が代を流している時に中国人観客が、起立もせず、ブーイングさえしたと日本の教育委員会関係者がえらく立腹しているらしい」
カラス 「さすが、日本国家主義の尖兵の教育委員会らしいな。日本では卒業式で教師、生徒を起立させ、君が代を歌うことを強制し、父兄の起立・斉唱状況さえチェックして、次には父兄らが起立・斉唱せざるを得ないような状況に持って行くつもりだったのに、思わぬところから横やりが入ったというところか。せっかく日本国内では君が代の神聖化に成功しつつあるのに、テレビに映るブーイングを許しておくと君が代の権威が傷つくとでも考えたのかな」
パンダ 「マスコミも、君が代に中国人がブーイングするのはケシカランの一色だ。各紙、各局とも見事にそろった。せいぜいが、重慶は日本軍の空爆で多数の死傷者を出した土地だから反日感情がまだ残っているとの説明をつけるぐらいだった」
カラス 「もう一つは、中国人は民度が低いという“説明”だ。確かに中国では文盲率も高く、近代西洋的価値観によるモラルはまだ浸透しているとは言えないようだ」
パンダ 「しかし、民度まで持ち出すと中国人を蔑視する意識がミエミエだ。日本人だってサッカー文化に馴染み始めたのは、Jリーグが始まり、W杯予選に熱くなるようになってから。せいぜい十年くらいのもの。スタジアムに集うサポーターに日本人の民度を代表されてはかなわない」
カラス 「フーリガンにイギリス人の民度を代表させるわけにもいくまい」
パンダ 「マスコミの中には、西安での寸劇事件、集団買春事件などで反日感情が高まっていたとするところもあったが、そんな事件を反日感情に結び付けることを納得していると、日本では中国人による凶悪事件が発生しているのだから日本人の反中感情も正当化される」
カラス 「つまりは、中国人の中にもバカがいるし、日本人の中にもバカがいるということか」
パンダ 「あのブーイングだって、最初は特定の連中が始めたものに、日本側が過敏に反応し、中国当局も抑えにかかったから、“面白い。もっと、やってやれ”てな感じで広まったというところかもな」