こんなコラムを2004年に書いていました。
ヨン 「日本では俺は、様を付けてヨン様と呼ばれ、崇拝されているんだ」
ベッカム「俺だって様を付けて、仰ぎ見られていたぞ」
ヨン 「しかし、W杯の熱気が冷めた今では、あんたに様を付けて呼ぶ人は見掛けなくなった。そういうのを落ち目というんだ」
ベッカム「いずれ、そっちも同じこと。冬ソナブームが冷めれば、あんたに様を付ける人など、いなくなる。俺がドイツW杯で活躍して、日本に出稼ぎに来れば、また、俺に様を付けて呼ぶようになる」
ヨン 「活躍できればの話だがね。ところで、何で日本の女性は俺らに様を付けるんだろう? 皇室関係と間違えているのかなあ」
ベッカム「日本ではスターに様を付けるのは珍しくないんだ。映画スター、歌舞伎俳優、宝塚スターなど様を付けて呼ばれた人は数多い。女性ファンが対象に憧れ、仰ぎ見る行為の一つとして様を付けるんだな。ファン意識の共有を確認する記号としても様付けが行われる」
ヨン 「とすると、日本のマスコミは俺のファンというわけか。どこでもヨン様、ヨン様としている」
ベッカム「それは商売。ブームを当て込んで、煽っているだけさ。だから、あんたもブームが続いているうちに、しっかり稼ぐんだな。おいしいところは、食べておくんだよ」
ヨン 「なるほど。日本でCMでがっぽり稼いだ、あんたらしいな。NHKは不祥事隠しに冬ソナをもっと利用するだろうからブームはまだまだ続くだろう。俺も、おいしいところを食べておくとしようか。ただ、あまりCMに出るようになると、飽きられるんじゃないか?」
ベッカム「その可能性はある。俺の場合は白人コンプレックスも混じっていたから、ゲームで活躍しなくても様付けは続いたが、あんたの顔は日本人の中に紛れ込んでしまう顔だ。だから、ヨン様ブームは冬ソナブームと一蓮托生だ。いずれ飽きられる。その前に稼げるだけ稼ぐんだ」