望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

気張りなや

 こんなコラムを2004年に書いていました。

エビス「プロ野球バファローズの前につく名前を売ってン十億円ちゅうのは、うまい商売を思いついたものでンな。わての名前も誰か買うてくれまへんかな」

大黒 「アホか。おまえの名なんて誰が買うねん。それにな、名前なんてものは大事にせなアカンねん。金に目がくらんでコロコロ名前を変えたりしたら、周りの者にはええ迷惑だ。今日は何と呼べばよろしいでっか?なんて、会うたびに最初に聞かな、話もようでけんのは御免ダ」

エビス「それくらい我慢しいな。それに、時々名前が変わるのはええ気分転換になりますやろ」

大黒 「気分転換なんてどないでもよろし。バファローズは元の金欠バファローズに戻ればええねん」

 

エビス「ジエー隊のイラク派兵は、外交問題であり国際問題であるはずでっしゃろ。しかしな、一連の報道を見てると、国内問題としか見えよらン。どないなっとるねん」

大黒 「そりゃ仕方ないわ。ブッシュ政権への義理立てで既にイラクに派兵している国は仰山あるよってな、いまさら1国が加わったって世界的にはネタにはならンわ」

エビス「ジエー隊派兵の最大の問題点は、日本国ケンポーとの整合性をどう誤魔化すか、もとい、どう確保するかということでンがな。ジエー隊の海外派兵が日本国ケンポーに反しないと理屈付けたとして、その次に、今回の派兵が適切であるのかという問題が出て来よりますのや。どないなっとるねん」

大黒 「いま言うたことは国内問題でしかないやろ。そこが最大の問題やから、ジエー隊のイラク派兵は日本の国内問題なのや」

エビス「ちゅうことは、日本国内での理屈さえ整えば、ジエー隊は勝手に世界のどこにでも行けるちゅうことですかい? どないなっとるねん」

大黒 「そうは行かンねん。日本単独で派兵したなら、特にアジア各国が黙ってないやろ。ブッシュ政権の圧力があるから、日本の行動にも何も言いよらンのや」

エビス「ジエー隊がイラクに行ったなら、日本では国内問題として見ていてもや、現実には国際問題となるわけでっしゃろ。何が起こるか、わからンでえ。国内問題として考えて来た役人連中が、うまく対応できまンのかいな?」

大黒 「だから、起きたことに対する受け身、受け身の外交になるンや。日本はいつだって、そうや。ジエー隊のイラク派兵を国際問題と考えるとな、(1)アメリカのイラク戦争に加担することは正しいのか、(2)アメリカ主導のイラク占領で、イラクの復興は可能か。その復興は望ましい形か、(3)中東における各国の平和共存は可能か。可能なら、そのために日本はどのように関与すべきか、(4)中東(イスラム)における民主主義は必要なのか。必要だとすれば、どのような形が望ましいのか−−などをはっきりさせな、あかん」

エビス「(1)以外を言ってる政治家は日本におらんデ」