望潮亭通信

無常なる世界を見るは楽しかり

年金狂詩曲

 こんなコラムを2004年に書いていました。

キン「年金をどうする、こうするって喧しいこった。今の年金は個人別に積み立てて管理するという制度じゃないんだから、年寄りが多くなって、一方、若い者が少なくなれば、やりくりが厳しくなるのは当然じゃ」

ギン「老後に頼るのは年金しかない人が多いじゃろうが、払った分は自分ももらえると思っていたら、官僚らが好き勝手に積立金を食い散らし、それで原資が少ないからと、支給額は減らされるわ、支給開始年齢は引き上げられるわ。で、足りない分は税金で何とかするかというと、国自身が巨額の借金を背負っている有り様。とても年金までは手が回らないじゃろ」

キン「政治家は金のことには敏感だから、国家財政の破綻が近いから年金なんか払っていても無駄だと知っているんじゃ。インフレになれば年金生活者の暮らしがどんなみじめなものになるか、ソ連などの破たんした共産国家がいい例じゃ」

ギン「日本人は日本という国に頼り過ぎているんじゃ。国は個人を簡単に見捨てるということに、気付かないのか、気付かないふりをしているのか、日本人は歴史を直視せず、国に従順過ぎるから、政治家になめられるんじゃ」

キン「積立金の使い道や未納問題は厳しく追求するべきじゃが、一方で1人ひとりが、年金どころか、預貯金まで国が管理するようになる可能性のあることを頭に入れて、生き残ることを考えるべきじゃ。政治家だって、自分のことしか考えていないんじゃ。議員年金を削って、僅かでも一般の人々に回す、なんて主張する政治家はいないんじゃ」

ギン「日本の経済力が一時ほどではなくなったとはいっても、まだまだ国際的には経済強国じゃ。だから、老後に備えて、海外で資金を引き出せるようにしておき、海外でも生活できるぐらいの英語力を身に付けておく−−これが国に頼らない老後じゃ」

キン「日本に居たいのであれば、今のうちに田舎に土地と家を確保しておき、老後は自給自足じゃ。これなら国家財政が破綻し、年金があてにならなくなっても、なんとか生き延びられる」