大新聞社から電話がかかって来たんで、うれしくなって、ホイホイと答えてやったで。世論調査なんて、あんなもん、内輪でごちゃごちゃ作ってるんだろなんて思うてたから、へ～、関係者でもない相手にホントに電話かけてるんだ！と感心したんだ。
「岸田内閣を支持しますか」だって。この新聞社は自民寄りだったな。おー、よしよし、支持したるがな。なんぼでも支持したる。自民の支持率が上がったほうがこの新聞社は記事が書きやすいやろ。ばーんと派手な見出しをつけや。
「立憲民主党の泉新代表に期待しますか」だって。よっしゃ、期待したるわ。いや、この新聞社は自民寄りだったな。じゃ、「期待しない」だ。出だしから「期待しない」が多ければ、この新聞社なら、こっちのほうが大きな見出しになりそうだな。「期待しないが過半数！」なんてデカデカとやるだろな。
支持政党？ 支持してる政党なんてないけど、せっかく電話をかけて来てくれたんだから、自民党にしたるわ。この新聞は自民党寄りだから、そう答えたほうが新聞社も嬉しいやろ。自民でも立憲民主でも似たようなモンだから、俺はどっちでもええねん。
「次の衆院選挙での投票先の政党は」だって。よし、自民にしたる。どこに投票するかは決めてないし、だいたい、その日に投票に行くのかも分からん。でもな、こうして電話をかけて来てくれたのも何かの縁だから、自民と答えたる。この新聞社さんも、そのほうがいいやろ。
「岸田首相と泉氏のどちらが首相にふさわしいと思うか」だって。小さくまとまっている感じの岸田に俺、期待はせんが、岸田と答えたる。俺がどう答えようと、岸田政権がいつまで続くか分からんから、ええわ。この新聞社が安心するように答えたるから、また電話して来てな。
「泉氏と逢坂氏とどちらが新代表にふさわしいか」だって。どっちでも、ええ。勝手に決めい。俺らの意見を聞きたい言うなら、投票させい。投票もさせんと、どっちがいいかなんて聞かれたって、誰がまともに答えるかいな。
「立憲民主党が次期衆院選で政権交代できるか」だって。そりゃ「そうは思わない」や。別の新聞社なら、「できる」と答えるんやが、この新聞社は自民寄りだから、俺はこの電話を切るまで自民党支持者や。「自民支持が立憲民主支持を上回る」とか、大きな見出しをつけなや。
